「隣の爺さん、なんだかいつもブツブツ言ってるが、勘違いも良いところ。」
「そうよ、あの新入りのじいさま、ここの世界の住民には、感情が無いみたいに言ってるけれど
、そんなことはぜんぜーんないわよ。わたしなんか、結構楽しくやってるものね。」
「あの爺さん、きっと生きてるときからずっとああなんだよ。人っていうのは、死んだからって急には変わらねえんだよな。」
「僕は、ママやパパから、悪い子は地獄へ落ちるっていっつも聞いてたのに、ウソじゃん。嘘つきも地獄行き。ぜーんぶウソ。」
「私、大学で習ったんだけれど、初めて嘘をつくとき自分は自分っていう第一段階の自我が出来るんだって。2歳児のイヤイヤから始まって、嘘をつく事へ発達するらしい。ウソついたら地獄行きだなんて、いい加減ね。」
「地獄、天国と言ったところで、あんなのは宗教団体の脅迫セリフ。イエスだって、釈迦だって、そんなこと言ってない。時代と共に、尾ひれが付いて、地獄だの天国だのと言い出して、似ても似つかない話になったってわけよ。子供騙しもいいところ。」
「でも、何かちょっと変なのよ。私たちって、初めからファッショナブルでしょ。ほら、あっちの人たちすっぽんぽんでしょ。一体どうなってんのかしら。」
「むむ・・・その点だけは、俺もちと不思議だった。」
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