「北国の奴ら、服を着ないと生きてはいけないから、寝ても覚めても服のことが頭から離れないんだよ。その点、南国育ちのおいら達は、服のことなんかあんまり考えないよな。」
「ここに来た時、服着た奴ら見てアホかと思ったな。ここは、寒くも何ともないのによ。」
「それよりも、みーんな同じシャレコウベして、見分けがつかねえ。」
「おいら達は、何はなくともまず入れ墨よ。」
「お洒落だもんな、おいら達。」
「前世の人間だって、その内、遺伝子操作や美容整形でよ、みーんな同じ様な顔になって、おいら達のように、顔に入れ墨するようになるわさ。」
「ここの奴ら見てると、何が一番大事か直ぐに解るってもんよ。」
「前世じゃ、色々複雑で、一目でなかなか人を見抜くのはムズかったなあ。」
「おいらなんか、ぶさいくって言われ随分な目に合ったもんだよな。」
「ここじゃ、おめえ、なかなかイケテルよな。」
「照れるよなあ。」
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