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これは日本で作られたスペイン扇。木綿の布と木で作られていて、竹は使用されていない。それ故、扇骨の厚さがそれ程薄くない。布地の始末もペイントを塗ってほつれ止めをしている。この扇は随分以前に、スペイン扇ばかりを作っている京都の扇屋さんから頂いた物である。

スペイン扇は、元々日本で発達した扇が中国へ渡り、ヨーロッパに伝わり宮廷やフラメンコ扇として女性専用のおしゃれグッズとなったものである。素材も布、紙、レース、羽や木、象牙などで作られており、要の所も金属製の鐶で作られている物が多い。明治になると、これらの西洋の扇が日本へ逆輸入され、日本でも西洋の扇が作られ、輸出されるようになった。現在、スペインで作られているスペイン扇は、日本の扇から見ると粗雑に思える物が多いが、中には非常に繊細に作られているスペイン扇があるが、それは日本で作られている。只確信はないが、京扇子も中国で作られていると言うことであるから、スペイン扇もまたメイド・イン・チャイナであるもかもしれない。

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これも又、洋扇の一種であり、総て木で出来ている。小さなな扇で、小型のパーティバッグにも入れることが出来る。

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この絹扇は、日本製で扇骨と絹の部分にかけてゴンドラを描いた西洋扇もどきのお扇子で、古くなってはいるが、非常に丁寧な仕上げがなされている。
これらの絹扇は、西洋へ輸出された扇子の名残である。80年代初め頃までは、初夏になるとデパートの1階の入り口に、お扇子売り場が設けられていたものだが、次第に縮小され、遂には、着物売り場の一角に押し込められてしまった。生活スタイルの急激な変化の中で、消えていった夏の風物詩のひとつでもある。

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扇骨の数に比べて、扇の厚さの違いが分かる。一番上のスペイン扇の扇骨の数は30枚、一番下の日本の西洋扇もどきの扇骨の数は、45枚である。いかに竹の扇骨が薄いかが分かる。

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親骨の側から見ても、日本の西洋扇の繊細さが分かる。日本のお扇子は、あくまでも、薄く軽く繊細に、そして、粋にということを追求してきた。

大作りなスペイン扇を見るに付けて、今の若い人たちはこの差を知っているのだろうかと思う。