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私の親戚に、小学生の頃、白血病になった男の子がいた。入退院を繰り返して、成人した。彼のお母さんが良く出来た人で、他の二人の子どもと同じように育てて、特別扱いしないようにようにしていた。そのことがいかに大変なことであったか、子供を育てるようになった時、ようやくトロい私にも分かるようになった。

ただ私にしかわからない彼の一面も在ったように思う。彼が小学校の頃、家が近かったせいもあって、行き来が多かった。芸大に通っていた頃、遊びに来た晋ちゃんに「好きな絵を描いて。」と言ったら、髑髏の絵を書いたので、少し驚いて理由を尋ねた所、「気持ちが落ち着く。」という答えであった。それからも色々質問してみたが、兎に角好きなんだということであった。髑髏と私の出会いの時でもあった。

晋ちゃんの家が引っ越したせいもあって、そんなにしばしば往き来することも無くなり、私は勝手に晋ちゃんの病気は治ったものと決め込んでいた。
成人してからよく私の個展に来てくれて、長い間あれこれ話しをしたものである。ただ、入退院を繰り返した彼は、勉強どころではなかったために、高卒であった。体格もそれほどではなかったが笑顔良さんであった。そんな彼が、ある時、「彼女がほしいな。」とポツリと言った。

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その後、個展に来てくれた時は、彼女談義に花が咲いた。晋ちゃんはお母さんのような彼女が好みであった。「あの人(母)のような彼女を探すのは難しいから、もう誰でもいいよ。」という結論に二人で笑った。

その彼が、再発して28歳で逝ってしまった。
毎晩私は泣いた。彼のためにそして私のために、スケルトンのカップルを描いた。私からの鎮魂歌。
パソコンのキーが涙で見えない。こんなに苦労してブログを書いたことはない。晋ちゃんは今も私の心の中で生きている。