P3440676
マンガやアニメの着物のイラストを見ると、なんともお粗末なものが多い。絵を描く人は、参考作品となる画集を集めるが、伊藤彦造のイラスト集は、私のお気に入りの一つである。

P3440677
伊藤彦造は、大分県出身で1904年から2004年までの1世紀を生きた挿絵画家である。

P3440678
伊藤の挿絵の歴史は、日本の歴史でもある。剣豪の末裔に生まれた伊藤彦造であればこそ描けた隙のない体の動きに感銘を受ける。

P3440679
2800円の画集が今では新装版となって5000円になっているようであるが、未だ買うことが出来るうちに買っておくに越したことはない。

P3440680
構図のとり方や、風の流れ、髪の微妙なほつれ、刀を持つ手・・・迷いのない描き方である。

P3440681
漫画家の方で、彩色した途端に雰囲気が破綻するのをよく見かけるが、伊藤彦造の場合は、彩色することによって更に命が脈打つ。

P3440682
絵画のおける空間把握能力というものは、努力だけでは100パーセントには達しないのだということに納得。

P3440683
伊東には描けないものがないようである。西部劇も。

P3440684
インディアンも。

P3440685
西洋の時代物も。

風景画や花鳥画を描けても人物画は描けない画家も多い。確かに人物画は訓練を要する。伊藤彦造は一体どれぐらいの勉強をしたのであろうかと、この画集を見る度に思う。