腹腔鏡下胆嚢摘出手術・体験記まとめ
【ポプラ社】人体絵本より
胃炎ではなく、胆石が原因での痛みだと分かり、消化器外科に行くといくつかの検査の結果、「では、明日から入院」と言われ慌てて用意をした。入院グッズは、病院から貰った書類に書かれているが、患者の手術に関する知識は不十分この上ない。かと言って病院側はこのサイトを読めとかは言わない。自分で、サイト巡りをするしかないが、この時、要注意なのが、誰が書いているかを確かめること。出典は何処か。体験談か、医療関係者か、怪しげな根拠のない書き込みかを、必ず見極めること。医学知識がなくてもわかりやすく書かれているサイトは、次の二つである。
腹腔鏡手術と抗癌剤 – 消化器病センター(外科) – 長津田厚生総合病院
胆石症の腹腔鏡下手術、腹腔鏡下胆のう摘出術などの治療|豊中緑ヶ丘病院
消化器外科で受ける胆石検査の数々。
腹腔鏡下胆嚢手術(胆嚢摘出術)の検査と手術の流れ | 日本医科大学付属病院
手術に必要な検査は原則として術前に外来通院で行っています。それは入院を短期間とするためです。検査項目は原則として
1. 血液検査
2. 心電図検査、胸部・腹部レントゲン検査、肺機能検査
3. 超音波検査
4. CT検査
5. 胆管造影検査
6. 胃内視鏡検査
(山田安政著「現代の組織学」より)
私の場合ポリープも見つかったので、ネット検索してみる。<strong><a href=”http://kurosu-hosp.com/subject/tanseki/” target=”_blank”>腹腔鏡下胆嚢摘出術について – クロス病院</a></strong>
「胆嚢ポリープとは胆嚢の中に隆起した病変(ポリープ)を認める病気です。超音波検査(エコー)の普及で数多く発見されるようになりました。ほとんどの胆嚢ポリープは、コレステロールポリープか腺腫性ポリープと呼ばれる良性のポリープで、これらは小さいものであれば治療の必要はありません。しかし、大きさが10mmをこえると胆嚢癌を認めることがあります。したがって、10mmをこえるポリープや、経過中に大きくなったポリープは危険とされ、胆嚢摘出術が望ましいと考えられています。」
【ポプラ社】人体絵本より
胆嚢は肝臓の影に隠れている。
肝臓下面
(山田安政著「現代の組織学」より)
胆嚢は肝臓の裏面から見たほうがよく分かる。
お腹の表面の筋肉
【ポプラ社】人体絵本より
写真:胆のう摘出術
https://wellnetlink.asahikawa-med.ac.jp/advice_docs/_resource/img/vol17/17-06.jpg
腹腔鏡
腹腔鏡下手術: 臨床外科: Vol 54, No 11
腹腔鏡下手術は腹腔内へ挿入した内視鏡観察下に鉗子を操作して行うもので,手術に必要なスペースを作るのに炭酸ガスを腹腔内へ注人する気腹法と腹壁吊り上げ法がある.気腹法では気腹圧にもよるが,腹腔内圧上昇により肝臓や消化管の血流が減少する.さらに下大静脈経由の静脈還流も減少するため下肢深部静脈血栓症が生じる可能性がある.歩行開始時に血栓が遊離し,致命的な肺梗塞を突然発症することがある.このような事態を回避するために凝固・線溶系をチェック,凝固系の過度の亢進がないようにコントロールすることが肝要で,腹腔鏡下手術の薬物療法のポイントはここにある.
胆石の治療・手術(胆嚢摘出術)|四谷メディカルキューブ
傷跡のない胆石手術!?―単孔式内視鏡手術―
胆石手術(単孔式内視鏡手術)
腹腔鏡下手術の傷は従来の開腹手術の傷に比べると、はるかに整容性に優れていますが、最近、さらに傷を少なくして行う工夫がされるようになりました。単孔式内視鏡手術という名称の手術です。
この手術は、主としておへその傷を利用して行います。おへそを切開して皮下を広くはがして、ここから数本のトロッカーといわれる筒をお腹の中に差し込みます。用いるトロッカーは数本ですが、傷は1か所ですから、終了するとおへその傷だけになるのです。もちろん、1か所からのアプローチでは、器械の方向が同じ向きになって操作が妨げられることがあるので、安全のため傷を追加してトロッカーを挿入することもありますが、従来の手術よりも、傷の数が減ります。
その上おへその傷は引き込むように治っていくので、傷は年月とともに目立たなくなり、あたかも「手術の傷痕がない」ように治るのです。
右の写真は単孔式で行われた腹腔鏡下胆嚢摘出術後2週間の患者さまの傷です。おへそ以外は傷がありません。この方は手術後2日目に退院し、翌々日には仕事に復帰されました。
胆路
(山田安政著「現代の組織学」より)
オッディ括約筋
(山田安政著「現代の組織学」より)
胆管括約筋
(山田安政著「現代の組織学」より)
以上の図より、肝臓で作られた胆汁が胆管を通って十二指腸へ運ばれ、消化されたものが胃から十二指腸へやってくると、胆管の先端にある括約筋が緩んで胆嚢で濃縮された胆汁が排出される構造になっていることが分かる。この先端部分に胆石が詰まっているかどうかは、胆嚢摘出手術時に造影剤を総胆管に流し込んでX線でけんさし、もしこの先端部分に胆石がある場合は、消化器外科ではなく消化器内科に移り、胃カメラを入れて手術したり、超音波で砕いたりすると医者から説明を受けた。
以下は、入院中に私がが書き留めたメモである。
私の傷口
手術が終わったあくる日に鏡を見て傷を確認しつつ書いた。手鏡を持っていくとベットから移動しなくても見れるので便利。
傷口は縫っていないのので後で抜糸する必要がない。
術後一番痛いのはおへそであった。マジックテープ式腹帯は、ずれるし看護師さんによって始末の仕方が違い一体なんのためにあるのか解らなかった。もう一つ厄介なのはT字帯、いわゆる越中ふんどしである。ふんどしなるものは、男性のためには良いが、女性にとっては食い込むばかりの厄介な代物である。臍下のパンティで良いのではないか。手術をした1日目は尿道にカテーテルを差し込んでいるのだし。ちなみのこのカテーテルが寝返りで抜けたりするのではないかと心配したが、カテーテルの先が膨らんでいて膀胱の中まで入っているので、そう簡単には抜けない構造になっていると聞いて安心した。手術前に風邪を引いていると席が出るので手術はできないと聞いたが。腹筋を使うことはものすごく痛い。笑うのですら痛い。
胆石が胆管の何処にも見えないらしく不安。
おへそから二酸化炭素を注入して腹腔に空間を作るという説明を聞いてカエルを思い出す。
前日・1日目
お腹の中を空っぽにするために下剤を飲むが、これだけでは不十分。いくら何回トイレに行ったからと言って全て出たという確証にはならない。浣腸もして完璧に出しておくこと。私の場合、ウンチはすべて下剤で出たと思っていたが、さにあらず。手術を受けた夜に、ウンチが出そうになって看護師さんを呼ぶと、差し込み式のおまるを持ってきてここに出せと言われ、「トイレにいく。」というと、「カテーテルと点滴があるし、規則だから駄目!」と言われ、ベッド上でウンチをする羽目になったが、反り身になるので傷口の痛さは筆舌に尽くせないものがあった。痛さもさるものながら、ウンチの量の多さにびっくり。出るは出るは、差し込み便器を超えるほどの量でお尻にウンチが着いたのにはびっくり。兎に角痛いウンチが終わってやれやれと思っていたが、暫く経つと、またしても便意を催してきたではないか。しかし、ナースコールはしなかった。自力でトイレに行って便器に出した。点滴棒とカテ―テルをつけたまま尿袋を持ってベッドを乗り越えて痛みを堪えつつヨロヨロとトイレに行ったのである。このときほど、個室にしておいてよかったと思ったことはない。トイレの鏡に写った自分の姿に思わず失笑。しかし、お腹がいたいので思いっきりは笑えない。手術は寝ている間に終わっていたので何も覚えていないので、入院中のクライマックスはこのウンチ騒ぎである。後はまあ、おまけみたいなものである。
2日目になって、カテーテルを抜いてもらった時はやれやれであった。看護師さんに、「初めて歩く時は気を付けてね。フラクラするから。」と言われたが、今更何をと内心思ったが、素直に頷いておくことにした。
この後朝食後に胃が痛みだしてうめいた。なぜなのか。胆嚢はもうないのに。
3日目の朝食後、又もや座ってられないほどの痛みに襲われる。頭痛と吐き気もする。自宅から持ってきたノーシンを飲むとケロッと直った。
犯人は牛乳かも。急激に脂肪分の多いものは避けたほうがいいのかも。
手術の後で医師から貰った私の胆石。何やら刺々しい丸みのない形であった。私の性格を表しているのか。胆嚢の中には、胆泥はなかったそうである。
頭痛もお腹痛も吐き気も、自宅に帰って2日めにはましになった。今思うと大半は寝不足から来ていると思われる。いつもなら12時前後に寝て8時間はみっちり寝るのに、病院では9時に寝て、6時に採血で叩き起こされるのである。その間看護師が見回りに来る。その上寝返りをしようとすると傷口が痛くて目が覚める。毎日2時間ぐらいをウトウトするだけであった。
手術はうまく行ったらしいが念のため、合併症や副作用にも注意するに越したことはない。それでも食後に気分が悪くなるのが気懸かりである。
各診療科の各種疾患・手術・治療について|豊中緑ヶ丘病院
3.手術の安全性について 手術の合併症や副作用には以下のことがあります。 出血 手術終了時には完全に出血がないことを確認して手術を終わりますが、まれに再度出血が始まり開腹手術にてによる止血が必要となることがあります。(過去約10年間で、当院で再開腹を要した症例はまだございません。) 創感染 小さな傷ですが、胆汁が付着して感染をおこすことがまれ(1%以下)にあります。 胆汁瘻 手術後胆管を止めているクリップがはずれたり、肝臓に付着しているところから胆汁がもれることがあります。発生率は約0.3%ですが、過去10年間で後日に再手術を要した方はまだございません。出血や胆汁瘻が起こった場合に手遅れにならないように右わき腹の傷のところに、 細いシリコンの管をお腹の中に入れます。問題がなければ翌日~数日以内には取りま す。 腸管・胆道損傷 この手術はテレビカメラにてテレビの画面に写った像を見て遠隔操作で手術をします。このために電気メスや鉗子で腸や胆管に傷がつくことが極めてまれ(0.1%程)にあります。手術時にわかればすぐに開腹に移行します。また、場合により数日たって症状が出ることがありますが、その場合は、内視鏡下や経皮的にカテーテルを入れたり、再手術が必要となることがあります。 癒着による腸閉塞 手術後に癒着のために腸閉塞をきたすことがあります。たとえ小さな傷であっても可能性はありますが、腹腔鏡下手術は比較的少ないのが特徴です(0.1%程)。癒着防止のため手術翌日からは積極的に身体を動かして下さい。
私の場合、2万円の個室(急だったのでこの個室しか空いていなかった)に入って7日間、その他にパジャマを借りて、合計34万円ぐらいであった。このウチ25万円がメットライフの医療保険で帰ってくる。有り難い。それにしてもこの石は宝石並みに高価な石であった。・・・・・・完。