ひまわりの種をレジンで固めていると、一人暮らしをしていた頃の悪夢を思い出させる。


真っ暗な部屋に帰っていくのは味気なく寂しいものがあった。


そこで、何かペットを飼うことにした。想像するだけできっと楽しい日々がやってくると勝手に決め込んだのである。


ペットショップへ出かけていってあれこれ見て回ったが、余り大型のものはこの際無理だと思ったので小さい生き物にすることにした。


そこで、見つけたのがハムスター。なんて可愛い目なのか。仕草も可愛い。即、決定した。もう少しペットの本なんかを読むべきだったと今思うと後悔している。1匹では寂しいそうだからと、つがいで2匹購入した。これがそもそもの間違いのタネ。


カワイイカワイイの毎日が少しの間続いて私は大満足であった。
やがて、大きい方の1匹がゲージの中央に下に敷いた新聞紙を細かくしたもので山を築き始め、小さい方のもう1匹がその中に入って出てこなくなった。

外に残ったオスは、せっせとひまわりの種を新聞紙の山の中に運び続けた。やがて、山の中から子供がひょこひょこ出てきた。5匹ぐらいかなと思っていたら、6,7,8,9,10,11匹も出てきたのにはびっくり。ところが、メスはいくら待っても出てこない。オスはひまわりの種を運び続けているが、心配になって山を崩してみると、ひまわりの種に取り囲まれてメスのハムスターは亡くなっていた。産後の肥立ちが悪かったのか、余りたくさん子供を産みすぎたのか、可哀想で私は泣いた。そして忘れ形見のベイビー達は私が立派に育てるのだと硬く誓ったものである。


忘れ形見のベイビーたちはひまわりの種をせっせと食べ続けてすくすく育っていった。パパと11匹の子どもたちのためにゲージを増やした。


このベイビーたちはあっという間に大人になって、気がついた時には何匹かは子供を孕んでいた。多産の系統なのか、9匹も産んだハムスターもいた。兎に角これ以上増えては困るのでメスとオスを別々のゲージに入れて分離したのである。


ところがオスのハムスター達は、承知しない。〇〇を張らしてゲージの柵に張り付きガタガタゲージを揺さぶり続けた。その姿たるや目を背けたくなる光景であった。


夜中もがたがたあばれるので、安眠できない。その上に、次々と買ったゲージで台所は埋まってしまうし、その掃除とひまわりの種の買い出しに、ヘロヘロになってしまった。掃除もかなり大変。水を変えたり餌をやったり、ハムスターに対する愛情は、寝不足と疲労のために薄れていった。この頃のハムスターは、現在のようにミニサイズではなく結構大きい。オスはかなり大きい。20センチ以上はあったと思う。故に排泄物も餌も想像を超えた量である。ショップで買った時は未だ子供だったのだ。


或夜、静かになったらしく遂に私は爆睡していた。ところが夜中、寝ている私の顔をくすぐる物に気づいて目を開けたら、目の前にハムスターがいた。はじめは寝ぼけて事情が飲み込めなかったが、何と周りじゅうにハムスターがウロウロしているので、脱走をはかったのだと気がついて飛び起きた。

ゲージへ行ってみるとハムスターは1匹もいない。朝までかかって脱走したハムスターを集めたが、どうも水入れの下をかいくぐって脱走したらしい。それにしても、ハムスターたちはどうして情報交換をしていたのだろう。ハムスターは想像以上に賢い。

このことがあって依頼、外の自由さを知ってしまったハムスターたちは、水の箱をかじりまくり暴れまくり、その騒ぎは尋常ではなかった。遂に私の指まで噛んだので、もう最後の堪忍袋の緒もキレて、ハムスターを元のペットショップへ持っていった。すったもんだのやりとりの末、お金を払って引き取って頂いた。

後味の悪さと、残ったひまわりの種。その後気分が落ち込んで鬱々とした日々が続いた。

ひまわりの種を見ると、この時のことが悪夢となって襲い掛かってきた。ブログに書けば、カタルシスで何とかトラウマを和らげてくれるのではないかと思い書くことにした。可愛いだけではペットは飼えないとつくづく思う。

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