新幹線の喫煙ルームなる隔離部屋に漂う哀感。
10年前まではヘビースモーカーだった私。いまでは早く禁煙してよかったとしみじみ思う。
最近では喫煙する場所がだんだん狭まって、一体次はどこまで追いやられるのかという状況になってきている。煙だけではなく匂いまで排除の範囲に入ってきたらしい。
最近新幹線に乗ることがあって、喫煙ルームなる隔離部屋の存在をじっくり観察する機会に恵まれた。
トイレの(長い)順番を待っている間、喫煙ルームを観察していたら結構出入りが激しく思わず写真を撮ってしまった。(どこにでもカメラを持っていく私)
新幹線のトイレやデッキではもはや煙草を吸う事はできない。
ちょっと前までデッキでの喫煙は可能であったがいまでは禁止。
灰皿がおいてあって対流式酸欠機構で火が消える仕掛けになっているという。好奇心の強い私は余程喫煙ルームの中にはいってどんなふうになっているのか確かめたかったが、なにか厳粛な雰囲気に圧倒されていまいち足が動かなかった。
私が見ている間に出入りしたのはすべて背広姿のおっさんばかりだった。
お互い同士挨拶するわけもなく、モクモクとタバコを賢明に吸う姿は悲哀を感じさせる。
タバコの値段は上がるばかりで、それを吸う場所は減るばかり。家に変えればホタル族。家族には白い目で見られ、会社では意志薄弱人間扱い。喫茶店でもノースモーキングの表示に追い出され、タクシーに乗ってもいまでは禁煙。禁煙を決意しても1週間と続かない。「俺ってだめだなあー。」というため息とともに喫煙ルームに並ぶおじさんたち。
ジロジロ見ている私と目が合うとコソコソ足早に帰っていく喫煙者のおじさんたち。
ああ、本当にタバコを辞めてよかったとしみじみ思う。