21世紀に入ると科学者達は我先にと様々な生物の卵を遺伝子組換えによって効率的な生物を作るために日夜励んでいた。


やがて、人間もタマゴで産めば色々と便利だということになったが、すぐに人間で実験することはできないので代用の動物を使うことにした。


人気投票の結果、猫が選ばれ、猫のお母さんに卵を産ませる実験が始まった。しかし、なかなか上手くいかず諦めざるを得なかったが、どうしても諦めきれなかった実験助手さんが家に持ち帰って試作を続けた。ところが、何かの手違いで家に飼われていた猫ちゃんが卵を生み始めたのであった。


猫ちゃんのタマゴは、約1ヶ月で卵が割れて猫の赤ちゃんが出てきた。研究所の助手さんは、猫のタマゴを隠してその後も実験を続けた。


タマゴ猫ちゃんたちはネズミ算式にどんどん卵を生み、どんどん子猫が卵からかえってきた。助手さんはあまりの多さに怖くなり逃げ出してしまった。


この玉子で生まれたタマゴ猫ちゃんたちはとっても賢く人間と同じぐらいの知能を持っていた。


タマゴネコちゃんたちは、いつの日か世界で一番の数になると確信していたが、その日まで、普通の猫ちゃんに混じって知らないふりをすることにした。


ただ、タマゴ猫ちゃん達は初めのうちはタマゴのようにまんまるであった。


タマゴ猫ちゃんたちは大きくなるに従って普通の猫ちゃんの体型になっていくけれども、顔がすこーし吊り目でちょっと怖い顔をしていた。


そこでタマゴ猫ちゃんたちはよくできた可愛い猫のお面を作って顔につけることを思いついたのであった。


タマゴ猫ちゃんたちは、可愛いお面を付けて猫をかぶることに決め込んで、まんまと普通の猫社会に混じりこんでいったのでした。


ネコタロウ達の周りにも見かけない猫ちゃん達がじわりじわりと増えていったのである。人間の家では平均5~6匹の猫ちゃんを買うのが普通になってきていたが、可愛くて賢い猫ちゃんたちは今のところなんの問題も起こさずペットとして人間と仲良く共存していた。ただ、今では猫ちゃんの数は人間の人口を遥かに超えてしまっていたのだが、人間たちは気が付かなかった。


いっひっひっひ、ニャーンてね。世界は我々タマゴ猫のものだニャン。


明日は、タマゴ猫ちゃんの世界会議が開かれることになっている。嬉しいニャン。


もうすぐ猫をかぶらなくても良くなるニャン。


あと一年ぐらいで普通猫ちゃんは1匹もいなくなって世界は我々の手に入るニャンニャン。

ハッピーエンド。


このお話は、タマゴを食べ過ぎた猫ちゃんの見た夢でござる。全ては夢、夢でござる。完