地上げ屋のバトンタッチを予想しないわけではなかった。パワーショベル事件の近所では地上げ屋に借地を買い取られて、出ていくか買い取るかの2者択一を迫られたという家が多々あった。
「日新・・・」の社員は、初めの頃はえらくすごんでいたが、警察に一度連れて行かれて以降、今まで話しを聞こうとしなかったのに真面目に話を聞き凄むこともなくなった。そして、日新はこの土地については、地主から「建物の持主と話し合いも重ね、裁判もしたのに出ていかないで居座っている。」と聞かされたと聞いている。「地主の女に騙された。」いうことであった。

しかし、この日新の説明についてじっくり考えてみた。


もし「日新・・・」の言うことが本当なら、「パワー・・・」にはすべての経過をGIGAZINEは話したので事情は正しく知っているから、土地売買の仲介時になされた重要事項説明に知り得たことを書かなかったとしたら、「パワー・・・」は「日新・・・」を騙して土地を売ったということになる。
しかし、「日新・・・」が怒った相手は地主だけであって「パワー・・・」に対しては文句すら言わなかったのである。


以上のことを考えると、「日新・・・」と「パワー・・・」とはズブズブで、トラブルが起こったときは全て地主に騙されたというストーリーが前もってできていたからこそ、地主の言葉を何一つ確かめることさえもせずに自信を持ってブルトーザーで突っ込んでいったのである。地上げ屋にとって地主の都合の良いたわごと、ウエルカムである。

ただギガジンという相手が悪かった。更に、天も彼らに味方しなかったのである。毎回ブルトーザーで解体しようとすると建物の持ち主がやって来て警察を呼ぶという前代未聞の事態が起こったのである。彼らはお金や物に執着するというのなら分かるが、祖父の無念を晴らすなどというわけのわからないことに執着する相手は理解できないのである。更に「ネト充」なんていう人種は犬や猫よりも理解不可能なのである。今回の事件を簡単に言えば「ネト充」と「リア充」の正面衝突である。ショベルカーがなぎ倒したのはお爺ちゃん大好きなネト充の孫のPCであったようだ。
私の今までの経験から言うと建築や不動産関係の方たちは、NET音痴というかメールすら嫌う人が多い。この業界の気の短さは、メールの返事なんか待っていたら仕事にならないからであろう。

ショベルカーは異質な2つの世界の前代未聞の激突事件を引き起こしたのである。


一方、地主の女性は、地元でも評判の悪い方で、1例をあげると、何十年も自分で建てた家に住んでいて土地も買いたいと言ってきた借地人に対し、地主は自分の言い値で1円も負けずに現金で買わせた挙げ句、領収書を書いてほしいと頼まれても「なんでそんなもん書かなあかんねん。」と言って絶対書かなかったという伝説の持ち主である。

今回は、地主の言うことが次から次へと猫の目のように変わって墓穴を掘る羽目になっている。初めは建物を譲り受けたGIGAZINEの編集長がこの建物を返してくれたと言いはったが、後になると亡くなった私の父が死ぬ前に返してくれたと言い出したのである。これに対してはこちら側には山程の反論できる証拠が存在するが、彼女には自分の言い分を証明するものはまったくないはずである。

もう一つの地代も払わなかったという地主の言い分に対する反論としては、あの土地を父が地主の彼女から買っていたということである。その証拠も出てきた。「日新・・・」も「パワー・・・」もこの点に関してだけは騙されていたと言えよう。自業自得か。只この時点ではその証拠を明かすことはできない。警察にだけ話すつもりである。警察と検事さんのみが彼ら3者を逮捕し、罰することができるからである。告訴状にのみ書くことにする。それ故、私個人としては、警察に対して余り失礼なことをやるべきではないと思っている。ただ警察が民事民事とか故意かどうかと繰り返すということはやる気が無い証拠だとと思ってしまう。ひたすら私達の思い過ごしであることを願うのみである。何があろうと、社会悪を見逃さず、市民の生活と安全を守るのが警察の役目だからである。それだけは信じております。かなり以前に大阪府のイベントのパネラーで出席したときには「日本の誇れるものはおまわりさん。」と発言したのを思い出す。子どもたちを育てるときにも「非常事態には大声でおまわりサーンと叫ぶのよ。」と繰り返し教えてきた。その反動は編集長にとって大きかったのだろう。


最後に、地主の言い分の中で一番矛盾しているのは、「何度も建物の持ち主の山﨑さん(ギガジンの編集長)と話し合ったが、納得せず居座った。」と言う言い分と、「持ち主に連絡できなかったので、勝手に取り壊してもいいと思った。」という相反する発言である。何度も会った人に会えないということを平気で言うのはすごいことである。解体現場とGIGAZINE旧社屋と地主の家の位置関係と距離を知れば連絡が取れないという言い分には開いた口が塞がらない。

私達は地主と称する人が誰だかわからなかったので、第1回目の解体現場に現れた女性を地主とは思わなかったのである。その後、地主というのはどんな人なのかと警察に確かめる羽目になったのである。私に対しても地主は「あなたは誰?」と訊いてきたのである。まあ、私も聞き返したが。

それから、私達は、地主の言動の不可解さに呆れて、もしかすれば認知症かと疑い近所の人達に尋ねて回ったのである。帰ってきた答えは、「地主さんは年だけど足腰も頭もそりゃもうしっかりしてはるわ。」と口を揃えて言われたのである。失礼しました。

地主さんのやり方は、要するに今まではそれで通ったのだろうけれど、「私達には通用いたしません。」です。 この「私達」の中には父も含まれているのは勿論である。それから、特にGIGAZINEのファンの方たちには全く通用いたしません。それだけは確信を持って保証いたします。