媒介は法律用語であり、仲介は法律用語でない。
意味としては一緒で「契約当事者間の契約成立に向けて尽力する行為」のことを仲介、媒介という。
宅建業者に仲介を依頼する場合には、媒介契約を結ぶ。

今回、パワーさんは媒介業者とかかれていたが、地主と買い主の間の売買契約を成立させたのでこの用語の使い方の良い例と言える。

では次に、パワーさんは媒介業者としての調査説明義務を果たしたのであろうか。何しろ対象物件の一部は底地物件であることから慎重に調査して契約時にはその説明義務があったはずである。


不動産適正取引推進機構 (元専務理事 幸前成隆)のサイトを引用すると

媒介業者の調査説明義務
当事者の確認1 相手方の真偽 ̧替え玉¹不正の移転登記
2 代理権の有無 ̧委任状の確認¹権利証等の確認
3 本人の意思 本人照会

第二 取引物件の調査説明
1 私法上の権利関係 ̧物件の特定¹所有権の確認等º処分制限の確認»利用権原の確認
2 公法上の法令制限 ̧地域地区等の制限
ó市街化調整区域ô用途地域õ接道義務¹施設・事業制限º災害防止制限»その他の制限3 その他の利用制限 ̧物理的瑕疵ó物件の形質・性状ô建物の安全性等õ建物の損傷等ö
設備の瑕疵¹心理的・環境的瑕疵ó心理的瑕疵ô環境的瑕疵º利用の制約等ó公共施設の利用ô物件の利用»近隣関係ó隣地・隣人ôその他第三 取引条件の調査説明
1 取引内容 ̧契約内容¹売買価額º金銭の支払いと負担»特約条項
2 その他の取引条件 ̧租税負担¹転売利益ºその他の条件¼媒介業者の調査説明義務①媒介業者は、安全な取引の成立に努めなければなりません。

媒介業者には、
「売買契約が支障なく履行され、当事者双方がその契約の目的を達し得るよう配慮して、事務を処理すべき業務上の注意義務」(東京高判昭32.7.3高民10-5-268等)、
「取引上の過誤による不測の損害を生ぜしめないよう配慮すべき業務上の一般的注意義務」(東京高判昭32.11.29下民8-11-2219等)があります。これをさらに詳しく、
「仮に履行について不安があり、委託者に損害を与えるような場合には、受託者として細心の注意を払って、その危険の有無を専門家としての立場から調査判断し、委託者にその結果を告知すべきである」とした判決もあります(東京地裁八王子支判昭57.4.21判時1047-119)。
②安全な取引とは、依頼者の取引目的に照らして安全な取引、すなわち依頼者が取引目的を達成できる取引です。媒介業者は、依頼者の取引目的の達成に支障となる事情がないかどうかについて調査し、説明しなければなりません。判例は、「仲介契約の目的が、速やかに建築確認を得ることのできる建売住宅用地としての売買である以上、…本件土地が右目的に適合する条件を備えているかどうかにつき調査及び説明義務を負う」(東京地判昭59.12.26判時1152-148)とか、「買主の建築目的を知っていたのであるから、買主の意向にそう建物が建築できるか、法令上の制限関係等を調査して告知する義務がある」(大阪地判平RETIO.2011. 4 NO.816

以上だけを見ても、媒介業者としての調査説明義務を果たしていないように思える。

売買契約書には3件の建物の名義人が書かれているにも関わらず自ら確認を怠って今回の騒動の元を作っているのである。GIGAZINE編集長へ建物の解体工事前に確認を取ることは媒介業者としての義務であったはずである。パワーさんが建物の名義人にも確認もせず買い主に解体工事させたためにその後のトラブルが起こり、買い主、売り主、建物の名義人にも多大なる時間とお金の面倒をかけたのである。刑事告訴、民事訴訟が起こり警察、検察、裁判所などの税金で運営されている機関をも動かざるを得ない事態になったのである。

義務であるからそれを怠ったからと言っても罰則規定はないようだが、その義務の怠慢が引き起こした結果を考えるならば責任は重大である。よく分からないのは、違法だけれど罰則規定がないということである。なんだか水路の過料とよく似ている。

なぜ、パワーエステイトは、建物の名義人にコンタクトをとるというたった一つの義務を果たさなかったのでしょうね。普通義務を果たさなかった結果として迷惑をかけた場合、普通は謝罪するのが常識だと思うのだが、それもない。

パワーさんは媒介手数料の一部でも売主と買主に返したのだろうか。国家試験による宅建士の資格者としてはどうなんだろうか。

「我々(買い主)もGIGZINEと同じ地主の被害者だ。」と何度も言っていた日新Pの顧問的存在さんと買主側の宅建士のことを思い出す。買い主はどうして同じ被害者のGIGAZINE編集長を訴えて、媒介業者と地主は訴えないのだろうか。不思議で仕方ないではないか。これが不思議でもなんでもないとしたら、本当はどのような事情があったのかと考えるのが普通である。裏の裏があるのかと勘ぐりたくなるのが人情である。

最近急激に売上を伸ばして業界内でも噂になっているというパワーさん。

お正月の間中考えていたような気がする。