何年もの間見えていたが意識の上に上がらないものがあった。


日曜大工の店コーナンの帰り道に阪急南茨木駅前(大阪府茨木市)をよく通るが、駅前にいつの頃からか大きな子供のモニュメントには気がついてはいたがそれが一体何か知らなかった。

つい最近になって息子から、それが原発作業員だと聞かされ驚いた。


南茨木の近くの万博にある太陽の塔の子供版かなと思っていたが、原発作業員だと訊いた時、このモニュメントから受けた印象は「原発推進」というイメージであったが、そんなものがどうして南茨木の駅前にあるのかなあという疑問のほうが強かった。


またある時、車の運転をしている息子から、「製作したのは現代美術家で京都造形芸術大教授のヤノベケンジさんで、東日本大震災と原発事故からの復興と再生への願いを込めて作られたということである。しかし、「東京電力福島第1原発事故の風評被害を増幅する」などと批判が出たらしい。」と聞かされ、びっくり仰天。

それ以降、この前を通る度に自分の思い違いに自己嫌悪さえ感じるようになった。しかし、一方で現代美術とは得てしてそういうものだと言い訳がましいことを思ったりした。アートとは出来上がって公開されてしまうと作者の意図とは別に独り歩きするものであると。


このモニュメントは昼間見ると白けて見えるが、夕方から夜のかけてみると、生き生きとして見える。


特にライトアップされると、今にも動き出しそうで迫力がある。このまま日本全国を歩き回る姿を想像してしまう。放射能値ゼロは、原発作業員の切なる願いのように思える。血液癌に侵された私には、他人事ではない。


南茨木にある理由もわかった。作者先生は茨木市出身だったのだ。ケチばかりつけないでこのライトアップされた「サン・チャイルド」を見れば、作者の気持ちが伝わってくるよ。

原発作業員の本も読んだし、学生だった頃には原発の見学会なんかにも行ったが、まさか日本の原発が爆発するとは思いもしなかった。一昨年、地震と台風に北大阪が見舞われた経験から、その何百倍、何万倍もの被害にあった福島を思うとやりきれない。

このモニュメントは何体もあるそうだから、国会議事堂と原発の前にも建てるべきだと思う。あっ、東電本社の前にも。災害があると弱い立場にあるものが一番の被害を受けるということを忘れないために。