お盆には「鱧(ハモ)の子」のすまし汁を作ってみる。
鱧の旬は、産卵期の8月から9月の前後、即ち、産卵前の6、7月と産卵後の10,11月頃である。お盆頃の鱧は産卵期で痩せているが、メスは卵を抱えているので、この時期「鱧の子」料理をいただく事ができる。
鱧の子は普通下ごしらえとしてさっと茹でるが、新鮮でほとんど匂いのない場合は、料理酒を入れた水でさっと洗って使うことにしている。薄い膜も気にせずに料理している。卵のツブツブだけにすると鱧の子の良さが無くなるような気がする。膜についたままそっと洗うように気をつける。
ネギと大根のぶつ切りを入れて料理酒と薄口醤油を加え、一煮立せしたところへ鱧の子を入れて火を通す。この時、料理酒ではなく吟醸酒を用いると尚良い。薄口醤油はできるだけ色の薄い新鮮なものを選ぶ。
おわんに入れたところで山椒をふりかけても良い。また、あんかけ汁にしても美味しい。
幽かに鱧の味がする淡白なすまし汁で、冷やしていただいても美味しい夏向きの汁物である。