夜の6時半頃、街灯に照らされた街路樹の寝方に白いマスクが落ちていた。ひときわ目立つそのマスクは、捨てられたというより故意に置かれたように見えた。


よく見るともう少し離れた街路樹の根元にももう一つ白いマスクが捨てられていた。


そのマスクも同じ様に置かれていた。位置も傾きもほぼ同じである。

海外ではマスクが歩道や公園に捨てられている風景を見るが、日本ではあまり見かけない。

マスクが置かれたのが、石畳で街路樹を囲んだ中という位置がよく似ているのも気になるところである。誰かが何かの意図を持って靴で踏まれないような所に置いたようである。物陰から、このマスクが誰かに拾われるのを見ているのだろうか。


コロナで亡くなったり重症になって苦しむ人がいるというのに、いたずら心でこのようなことをわざとするとしたら、心が寒くなる。公共心が育たなかった人間の仕業なのか。

自分ひとりぐらいという気持ちが集まって、この世は負の方向に揺れるのである。