日本に砂糖が入ってきたのは奈良時代で、貴重な薬としてあつかわれていた。室町時代になると、茶の湯が流行しお菓子の原料としてお砂糖が使われるようになった。
やがて江戸時代にようやく幕府により奨励策がとられ、全国各地に製糖業が広まった。一般庶民にお砂糖が行きわたるようになったのは明治時代で、海外から近代的な精糖技術が入ってきたからである。

上の写真にある上白糖は結晶が細かく、わずかに水分があり、しっとりとしたお砂糖。日本独自のお砂糖で、和食とよく合う。


糖には強烈な依存性があり、その強さはラットの実験でコカイン以上と言われ、糖を摂ると血糖値が急激に上がり、ハッピーな気分になる。いわゆる「シュガーハイ」と言われるものである。しかし、幸せな気分になるのは一瞬で、その後、すぐに血糖値が落ち込み、猛烈な渇望感が生じてくる。この繰り返しによって糖への依存性が高まって、ますますやめられなくなるというメカニズムである。
もう少し詳しく説明すると、甘いものを摂取すると、消化酵素で分解されたブドウ糖によって体内の血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上昇する。糖質の中でも砂糖は分子が小さいために体内でブドウ糖に分解されやすく、特に空腹時に砂糖を摂取すると血糖値が急激に上昇する。。その結果、血糖値を下げる働きを持つインスリンが一度に大量に分泌されて血糖値が急低下し、「低血糖」状態を引き起こす。体内が「低血糖」状態になると、脳がエネルギー不足で「空腹だ」と勘違いし、「甘いもの(糖分)を摂取して血糖値を上げろ」と信号を出してしまう。このようにして、砂糖を摂取した後、空腹でないにも関わらず繰り返し砂糖を欲するようになる。
一方、砂糖を摂取すると脳の中でドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなどの脳内神経伝達物質が分泌される。これらは人に幸福感や癒やしを与える麻薬のような性質を持っているため、悪循環が起こりやめられなくなるのである。


人類において、砂糖との付き合いはつい最近ということになる。しかし、その人気は絶大で、あっという間に消費量は増えて行ったのであるが、砂糖は万病のもとでもあった。

過剰摂取をしたとしても、ほかの栄養素は便と一緒に排出されるのに対して、糖分はすべて体に吸収され血管を通じて体中をめぐるのである。
体内に入った糖分は、たんぱく質と結びついて『AGEs』という物質を作り、これは糖化と呼ばれ、体を酸化させたり炎症を起こしたりする原因となる。
最新の研究によれば、糖化を最も引き起こしやすいのは果物が含む天然由来の『果糖』で、ミネラルやビタミンが豊富なことに注目されがちな果物であるが、それ以上に糖分の害の方が大きい。
この炎症や酸化が、がんや免疫力の低下などさまざまな不調や病気の原因である。

認知症の一種であるアルツハイマー病も糖分の摂取が引き金となることがある。
「血糖値を下げる働きをするインスリンを分解する酵素は、アルツハイマー病の原因物質である『アミロイドβ』を分解する役割もあるが、糖分を過剰に摂取すれば、その酵素はインスリンの分解にあてられ、『アミロイドβ』の分解ができなくなるのである。

この他、砂糖の過剰摂取は、体にいろいろな不調を招く原因となる。
1.糖尿病
2.内臓脂肪の増加
3.免疫力の低下
4.認知症
米コロンビア大学の研究によれば、糖類を含む飲料を毎日飲む人は33%認知症リスクが上がるという。

5.うつ病
精製された砂糖を摂取する女性はそうでない人に比べて23%うつ病になりやすいという調査もある。
体や脳神経が使うエネルギーを作る際に必要な栄養素が、疲労回復のビタミンとも呼ばれるビタミンB1で、 砂糖の過剰摂取でビタミンB1が不足状態になると、脳神経がエネルギー不足になり、気持ちが安定しなくなって、興奮したり落ち込んだり、すぐにイラついたり、緊張しやすいなど、うつ状態に陥りる。
又、糖分の過剰摂取は、ドーパミンを低下させることによって眠気やだるさも引き起し、うつ状態を誘発することもある

6.冷え性
体内のミネラルやビタミンが慢性的に不足状態になると、ブドウ糖がエネルギーに変化しにくくなり、体温が上がらずに低体温となる。
また、体が冷えることによって便秘になったり、免疫力が落ちて風邪をひきやすくなったりすることもある。

7.骨粗しょう症
砂糖の過剰摂取を続けて慢性的なカルシウム不足になると、カルシウムが骨から溶け出し、若年層でも骨粗しょう症になる恐れがある。

その他にもビタミンB群の欠乏によって、疲労感や倦怠感、肩の凝りや口内炎、貧血などの症状が引き起こされます。

8.高血圧
長らく塩がその原因だとされてきた高血圧も、実は砂糖こそがそのトリガー(引き金)となることもある。砂糖を摂取すると体内で分解されてブドウ糖になるが、過剰な糖はエネルギーに変換されず余り中性脂肪となって、体脂肪や内臓脂肪に変わる。内臓脂肪は腎臓からの塩分の排出を阻害するほか、ブドウ糖によってインスリンの値が高くなり、交感神経が優位となる。この2つの要因により、高血圧を発症しやすくなるのである。


三温糖や中ザラ糖は、特にミネラルが多く薄い茶色をしているのではなく、ただ焦げたカラメル色素によって着色しているだけである。


更に、砂糖の過剰摂取は、老化を早める。

糖化反応で変性したたんぱく質は、「AGEs:エイジーイーズ(終末糖化産物)」と呼ばれる。
AGEsは血管だけでなく、体のあちこちで発生、蓄積され、酸化ストレスによって体内をどんどん老化させていく。さらに、AGEsは血管壁の内部にも侵入し、そこに炎症を引き起こすことによって、動脈硬化を進行させる。血管の動脈硬化との相乗効果で激しく老化を加速させるのが、酸化と糖化である。

その他には、糖質を過剰摂取すると血糖値の急激な乱高下により、集中力が途切れ、切れやすくなったり、急に眠気がさしたり、日常の仕事や生活に差し障ってくるようになる。

以上の砂糖の過剰摂取による弊害が分かっても尚やめられないというのは、立派な砂糖依存症である。