これはただの置物ではなく、オルゴールなのである。ワンコを洗いながら水をかけているおじさんの陶器である。オルゴールが鳴るとおじさんの首が左右に動く。


手が滑っておじさんの首の端っこを欠けさせてしまった。


足の下に挟んであるのは何かよく分からない。


眠そうな顔をして鼻歌でも歌っていそうな顔を見ていると、このおじさんは、お酒でも飲んでいるのかもしれない。そうすると先程の足の下に挟んであったのは、ビールかなとも思えてくる。


とぼけた顔のおじさんに比べて、ワンコの顔は目をむいて必死の形相である。余程ごしごし力いっぱい痛いほど洗われているように見える。


オルゴールの曲に合わせて首を振りながらワンコをごしごし洗っているおじさん、鼻歌交じりにいい気分になっているおじさん。痛いほど洗われてもがくワンコ。このオルゴールをデザインした人のユーモアのセンスが上手く表現されていて見飽きない。たくさん持っているオルゴールの中でもこれはかなりのお気に入り。只・・・なんの曲かわからないけれど、テンポの良い楽しそうな曲である。