タバコの値段が上がって高くなったことや電子タバコが普及したこともあって、近頃、タバコの自販機周りのゴミ箱さんも暇を持て余している。


カンチャ「タバコを買ってすぐにゴミ箱を使う人はいないよね。」

ウルシャ「そうなのよ。だからかなり暇なんよねえ。近頃たばここの値段が高くなったものだからフィルターギリギリまで吸う人が増えたのよ。」


カンチャ「そのせいか、タバコの火がすぐ消えると思って火の付いたままでポイ捨てする人が増えてきたような気がするんだけど。僕は、そうゆうの許せないんだよ。まったく。」

ウルシャ「危ないのよね。困ったバカはどこにでも居るものよ、どこにでもね。」


ウルシャ「キャーッ!アチ、アッチッチ、助けてー。」


ウルシャ「目が火事よ。アチチ、なんとかしてー、カンチャ。」

カンチャはうろたえるばかりで、目から煙を出しているウルシャを呆然と見ているばかり。


カンチャを当てにしていられないウルシャは、熱いのもかまわず手で取り出して、我慢できずにカンチャに手渡した。


何と珈琲の空き缶を灰皿代わりにして火の付いたままのタバコを入れてそのままウルシャのゴミ箱に放り込んだのである。我に返ったカンチャはタバコの煙が出ているコーヒー缶を持って捨てに行こうとした。


カンチャ「あのー、この缶、どこに捨てればいいの?ウルシャ」


ウルシャ「あんた、ばかじゃないの。火を消してカンチャのゴミ箱の中に捨てるのよ。何のために空き缶専用のゴミ箱があるのよ。あんたの存在価値がなくなるじゃないの。」


カンチャ「僕、あんまり急なことで自分が空き缶専用のゴミ箱だったことをすっかり忘れてしまったんだ。トラウマになりそう。」

ウルシャ「あんたって、馬鹿な上に大げさなのね。ゴミ箱じゃなくてただのゴミね。」

その後、カンチャが目から火が出るほど恥ずかしがったかどうかは誰も知らない。