口を開けて、足の裏に5円玉を張り付けた超珍品の招き猫を発見。
リサイクルショップで珍しい掘り出し物を見つけた時は、思わず「ヤッター!」と呟いてしまう。
色んな招き猫を集めているが、こんな招き猫は見たことがない。全体的に古ーい感じであちこち傷んでいる。
口を開いてニャーと鳴いている。覗いてみると口の中まで丁寧に作られている。
髭の筆致を見るとなかなかの達筆である。
足の裏を見せている招き猫はNET中探したがいない。
黒っぽかったので初めは気が付かなかったが、よく見ると5円玉が埋め込まれている。
穴のあいた5円玉は1949年9月15日以降であるから、古そうに見えても戦後作られたものである。
この鈴とひもは後から付けたものかなと思ったがそうではない。
紅白のひもは上げた手の付け根に穴が開いてそこに入っている。
前から後ろへひもが通っている。こんな面倒な細工をしてある招き猫は未だに見たことがない。
裏側のお尻のところを見ると、万平と名前が書かれてあるではないか。早速、「万平 招き猫」で検索してみると、見事に当たりである。「招福工房万平」というサイトを見つけた。そこで売られている「ほっこり招き猫」を見ると、足の裏を上げているが5円玉は張り付けられていない。このリサイクルショップで見つけた招き猫はこの工房で戦後間もないころに作られたものだろう。
持った感じからするとやたらに重たいのである。貯金箱使用になっているので中に何か入っているのかと思って底の蓋を開けてみることにする。
何か違和感を感じていたが、この招き猫は陶器製ではなく、漆喰作りなのだ。
手足の爪の細かい細工は漆喰造りだからこそ出来たにしても大した技である。
猫の模様はピースを用いて描いているが、これもまた慣れた仕様である。あちこちの丁寧なつくりを見ていると、この招き猫を作るのにどれだけの時間がかかったのかと思う。隠れた招き猫の名品である。
この招き猫は我が家の家宝にしようか、それとも、どこかの民芸館に寄付した方が良いのかな。