現在のロシアには旧ソ連の科学技術ほどのものはないと、良くあちこちの記事に書かれていたが、どれ程の落差があるのかいまいち理解できなかった。しかし、4月25日の世界ニュースに一斉に書かれていたロシア製「オルラン10(Orlan 10)」の記事を色々読んだり、過去の記事を検索していると、ロシアのか科学技術の遅れが、よく分かったが、果たしてそれは本当か。


ロシアのドローンの開発目的は、大砲を発射後に『着弾観測』のためであった。ラジコンのプロペラ機によく似ていて、主翼、水平尾翼、垂直尾翼を持ち、プロペラは機首に1つの従来のプロペラ機型である。翼は全長約3m、重さは14kg前後。高度5000メートルまで上昇可能で、航続距離は120キロ-150キロである。1機8万7000~12万ドル。

一方、米国の攻撃用ドローン「MQ-9(リーバー)」は1機1700万ドル、主力の「MQ-1(プレデター)」はもう少し安価で450万ドル。

この差は、ロシア製のドローンは、単なる偵察機としても機能のみで、米国のドローンは、攻撃用の超精密兵器だからである。

mssn65さんはTwitterを使っています: 「ロシア軍のオルラン10無人偵察機、エンジンが日本製だったのか。」 / Twitter

上記の記事によれば、このロシアのドローンの各所には、各国の部品が使われているという。

特に主要部分のエンジンとカメラは日本製である。

WIKIPEDIAによると、

『エンジンには日本の斎藤製作所の4サイクルエンジンが使用されている。斎藤製作所はラジコン飛行機用のエンジンとしては世界トップクラスの技術力を誇るメーカーで、世界中でもラジコンマニアには『SAITO』の名は知られている。ラジコン用エンジンの多くは、2サイクルが多く、燃料はメチルアルコールであるが、斎藤製作所のエンジンは4サイクルで、燃料はガソリンである。サイズは小さくとも、構造は基本的にゼロ戦など航空機のエンジンと変わらない。2サイクルエンジンの音は甲高くてうるさいのに対し、4サイクルエンジンであるため静かで、実機の排気音に近く、マニアの間では人気があった。なお、斎藤製作所の創業者は、ゼロ戦や隼、紫電改の開発で知られる中島飛行機のエンジン開発者であった。同社製エンジンの高い静音性と低燃費が高く評価され採用されたと考えられている。
当機に使用されるカメラはキャノンの一眼レフである。』ということである。

2022年4月20日、ロシアのドローンを撃墜したウクライナ国防省は同機の性能を分析する動画をTwitterに掲載した。

その中でも、次の部分は、失笑ものである。

『分解を担当したウクライナ国防省職員が驚いたのは、燃料タンクの蓋で、通常のミネラルウォーターのものと思われるペットボトルの蓋に過ぎず、さらにペットボトル本体がその下に組み込まれていた。職員は、西側諸国の専門家に機体の写真を送り、性能分析のアドバイスを求めたところ、「ひどい。現代の技術とは思えない。私を馬鹿にしているのか。自分でなんとかしろ」と言ったという。』

JBpressというニュースサイトTOP
【ロシアの最先端ドローンに世界仰天、カメラもエンジンも日本製】
経済制裁で在庫限り、米軍の攻撃用無人機と比較してみると・・・

2022.4.25(月)伊東 乾氏によると、
『「ロシアのドローン」はなぜこんなに安いのか?
理由は「何もしないから」。ただ飛んでるだけ、「オバケのQ太郎」みたいなもので、正確には「覗き見担当」攻撃機能皆無の「偵察機」だからにほかなりません。』
『「CANON」の一眼レフがまるのまま、テープで貼りつけてあったのがバレた。これは相当恥ずかしい。
ちなみに、エンジンはたかだか20数万円、一眼レフも10万円台のリーズナブルな価格で調達可能で、その他も大したものでなく、「オルラン10」はまずもって100万円以下で製造・販売が可能な「趣味のラジコン」です。』とぼろくそである。

しかし、ロシアが費用をケチったのは、科学技術の遅れからというよりは、兵士の命を使い捨てにする人海作戦が可能だからではないか。経費削減のために、人手を利用できるところにわざわざお金をかけない主義が習慣になっているような気がする。現に、ロシアにも攻撃型の最新型ドローンもある。


参考までにトルコのドローンを見てみる。中高度長時間滞空型・無人戦闘航空機であり、 遠隔操作または自律的な飛行操作が可能ということである。


この未来型飛行物体は、中国のドローン「利剣」である。初飛行は2013年。機体は黒い電波吸収塗装で、形状は全翼機で精密爆撃が可能で自動的に追跡して偵察する機能も持つ。スペックは全長10m、翼幅14m、最大離陸重量10t、航続距離4,000km、ペイロード2t、動力はターボファンエンジンのWS-13。


この画像だけではよく分からないので、3面図をあげておく。


因みに、アメリカがウクライナに供与したドローンは、この自爆型ドローンである。幾多郎の一つ目おやじに似ている。

ドローンの記事を読んでいると、使い道は、平和利用から殺人兵器まで多方面にわたっているが、一つの科学発明はもろ刃の剣である。中国のドローンの名前が「利剣」というのは皮肉である。

【追記】
知り合いの専門家(プロ)に聞いたところ、オルラン10の分解動画も中途半端で納得がいかないし、「Russia Drone ORLAN-10」の図自体、今では削除されているし、書かれていることを全て調べてみたが納得がいかなかったということである。単にキャノンのレンズなどをそのまま使ったのではなく、かなり改造して使っているということで、その辺のところはお互い分からないように隠しているのではないかということである。微に入り細に入り聞かされて頭の芯まで疲れてしまった。このオルラン10も結構よくできているということである。

こういう専門知識を要することを素人がその辺の記事を参考にミックスしてブログに書くのは、あまり良くないとつくづく思った次第である。