ロシアのウクライナ侵攻において巨額の収入を得ているのが、軍需企業である。欧米がウクライナ支援のために拠出した金額は莫大なものである。
それに伴って軍需企業の株価が急上昇したのは言うまでもない。それ故、戦争で一人儲けしている軍需産業は、「死の商人」と言われるゆえんである。

兵器と一口に言ってもその種類は様々である。大まかに分類してみると以下のようになる。

【現代の兵器】
・陸上兵器(軍用車両、装甲戦闘車両 爆弾  火砲(自走砲、榴弾砲、ロケット砲)地雷)火炎放射器)
・歩兵兵器(銃火器 ナイフ類 手榴弾 迫撃砲)
・海上兵器(艦艇 魚雷 機雷 爆雷)
・航空兵器(軍用機)
・通信・索敵技術(無線通信 暗号 手旗信号  レーダー ソナー)
・特殊な兵器(核兵器 生物兵器 化学兵器 光学兵器 音響兵器 電磁パルス兵器 – 電磁波爆弾)


世界の武器製造・軍事サービス企業の2019年売上トップ25社をあげてみるとそのほとんどが米国と中国である。

【世界の武器製造・軍事サービス企業の2019年売上トップ10社*】
25社ランキング
順位 企業名 国籍 売上高
1位 ロッキード・マーティン 米国 532.3億ドル
2位 ボーイング 米国 335.8億ドル
3位 ノースロップ・グラマン 米国 292.2億ドル
4位 レイセイオン 米国 253.2億ドル
5位 ゼネラル・ダイナミクス 米国 245億ドル
6位 中国航空工業集団(AVIC) 中国 224.7億ドル
7位 BAEシステムズ イギリス 222.4億ドル
8位 中国電子科技集団公司(CETC) 中国 150.9億ドル
9位 中国北工業集団公司(NORINCO) 中国 145.4億ドル
10位 L3ハリス・テクノロジーズ 米国 139.2億ドル
11位 ユナイテッド・テクノロジーズ 米国 131億ドル
12位 レオナルド イタリア 111.1億ドル
13位 エアバス EU 110.5億ドル
14位 タレス フランス 94.7億ドル
15位 アルマズ・アンティ ロシア 94.2億ドル
16位 ハンティントン・インガルス・インダストリーズ 米国 77.4億ドル
17位 ダッソー・アヴィエイション・グループ フランス 57.6億ドル
18位 ハネウェル・インターナショナル 米国 53.3億ドル
18位 レイドス 米国 53.3億ドル
20位 ブーズ・アレン・ハミルトン 米国 51.4億ドル
21位 ジェネラル・エレクトリック 米国 47.6億ドル
22位 エッジ UAE 47.5億ドル
23位 ロールス・ロイス イギリス 47.1億ドル
24位 中国南方工業集団公司(CSGC) 中国 46.1億ドル
25位 ユナイテッド・シップビルディング ロシア 45億ドル

参考までに日本の軍需産業の企業を調べてみると結構多い。出来上がりの兵器としてではなく部品とか加工機械などとして輸出しているようである。
【日本の軍需産業】
日本防衛装備工業会 ダイセル化学工業 ヤンマー 藤倉航装
日本アビオニクス 三井造船 三菱スペース・ソフトウエ ア 東レ
重松製作所 ダイキン工業 三立製菓 旭精機工業 大原鉄工所
新明和工業 ノーベル工業 日本ミライズ IHIエアロスペース
旭化成 藤倉ゴム工業 日産自動車 興研
ミネベア 富士通 昭和シェル石油 日本飛行機
日本精工 シンフォニア テクノロジ ー 三菱電機 島津製作所
いすゞ自動車 カヤバ工業 日立造船 日立製作所
ユニバーサル造船 日本航空電子工業 ジーエス・ユアサコーポレ ーション
古野電気 中国化薬 コスモ石油 石川製作所
豊和工業 日本製鋼所 新中央工業 住友精密工業
昭和通商 東京マルイ 東芝 三菱重工業
IHI 富士重工業 沖電気工業 エイリイ・エンジニアリン グ
リコーエレメックス 日油 川崎重工業 小松製作所
川崎造船 太陽石油 日本無線 気球製作所
山田洋行 日本電気

この他に、兵器ではないが、キャンプなどの設備や、食料、衣類、燃料、医薬品などの必需品である。
多大なものが破壊と殺人に使われる。勿論、温暖化やコロナ感染などは無視である。

その陰でぬくぬくと肥え太っている死の商人たちがいることを忘れてはいけない。
ウクライナの破壊された建物や設備の復興資金は軍需企業から集めるべきである。

ただ、どんなことをしても償えないのは、人命と負傷した人々と心の傷と失われた時間である。

ウクライナ侵攻は、ロシアののプーチンが自国が民主主義化して国民の自由が保証されていくと、わが身の権力が失われてゆくのを恐れて仕掛けた戦争である。この戦争が世界を巻き込んで日々身動きができないような生活の危機をもたらしている。

ロシアは世界の軍縮を台無しにしてしまった。一方で国連の無力さも明るみにさらした。
一日も早く停戦条約が交わされるを事を願うばかりである。