デコトラの社会現象のきっかけは、1975年から1979年にかけて東映の製作・配給で公開された『トラック野郎』(日本映画のシリーズ。全10作)である。
本シリーズの大ヒットにより、車体を電飾で飾り、ペイントを施して走るアートトラック(デコトラ)が増加していった。また、菅原文太演ずる本シリーズの主人公・星桃次郎が乗るトラック「一番星号」を模したプラモデルが子供たちの間にも大ヒットしたそうである。
しかし、バブルの崩壊とともにデコトラを見かけることは年々減少していった。その上デコトラは夜でないとそのイルミネーションの美しさを見ることはできない。本格的なデコトラを一般道路で見たことは一度もない。


最近では、4月16日・デコトラ有志 チャリティイベント・泉大津フェニックス広場・朝9時より開催されるので行きたいなあと思っていたが、何と遂に同車線を走るデコトラに遭遇したのであるしたのである。
初めは前を明かりも付けず走っていたので特に注意も引かなかったが、信号待ちで明るくなったので後ろに描かれている絵が見えて驚いた。何と「西部警察」の渡哲也が銃を構えている絵が描かれていたのである。その上あちこちに書かれていた言葉の中に「哥麿会」という文字を発見。この車はデコトラだと確信した。何としても前に回って写真を撮りたいが、追い越すことができないのでイライラしたが、やっと追い越し車線に出ることができ車の右側を見たら、真っ白で何も描かれていない。きっとこれは発色をよくするための地塗りで、これから何らかのペイントをするのだと思う。以前、淀川の河原でエアーピースがんでデコトラにペイントしている人を見つけたことがあった。私もデコトラのボディに絵を描いてみるのが夢である。私なら、フェニックスか昇り龍か歌麿の浮世絵かな。今は年でとても足場の上に載って絵を描くことはできない。デザインならいくらでもできる。日本文化の普及のためという建前でやる。緞帳のデザインをしていたのだから、こんなものは朝飯前である。ただ、映画の看板なんか描いたことはないし、版権の問題もある。出会ったデコトラの西部警察の画像には問題はないのかな。

前に回ったとたん私の方の車が目的地に着く寸前になったのと信号に引っかかって、落ち着いて写真を撮ることができなかった。車の助手席から身を乗り出してデジカメで2ショットの写真を撮るのが精いっぱいであった。撮れないよりはましだと自分を慰める。


「デコトラ最前線」と書かれた薔薇模様の可愛いプレートがよく目立つ。只、すべてのイルミネーションがついていなかったのは残念であった。一帰ってから画像を編集すると運転席に40代ぐらいの男性の姿が見えた。年からするとトラック野郎を見たのは小学生のころだという事になる。それともデコトラ2世なのかな。


「一番星」というのは「トラック野郎」に出てくる星桃次郎(菅原文太)のデコトラの呼称だったと思う。
では、「一番星組合」というのは何の意味なのか。星桃次郎のデコトラのファン組合か。


ワイパーに隠れてよく読めないが、確か、後ろにも竹島がどうとか書かれていた。


ここにも「THE FIRST STAR」即ち「一番星」と書かれている。その下は、おそらく「真実一路」と書かれているのであろう。
デコトラとともに走り抜ける人生を選んだ人がここにもいた。事故だけは起こさないように祈っているよ。

【参考資料】
「哥麿会 栄光の40年」より抜粋
発売日2015/03/18(水)
サイズ29.8 x 22.4 x 1 cm
ページ数128ページ・1,935円 (税込)

『日本最大のアートクラブ「哥麿会」を一冊にまとめた本ができました。約40年前に「デコトラ」の名前を知らしめた痛快活劇・映画『トラック野郎』。この大人気映画にエキストラ車両を提供する組織として立ち上がったのが「哥麿会」です。映画が終了した後の哥麿会は、田島順市会長に代わってからは会の目的も大きく変化し、日本各地で起きる災害支援のボランティア活動や交通遺児チャリティイベントを運営する組織となりました。そんな哥麿会が2014年に創立40周年を迎え、記念ムックを発行することになりました。この本には、”第二次哥麿会”に所属する現役メンバーのアートトラックの勇姿をはじめ、’80年代を席巻した名車たちの在りし日の姿を多数掲載しています。また、関係者の貴重な証言を交えて、第二次哥麿会が築いてきたさまざまな活動記録を、月刊カミオンが所蔵する豊富な写真資料とともに振り返っています。哥麿会を知らない人も、少年時代に受けた感動を忘れられない人たちも、アートトラック満載の1冊をぜひ堪能してください。
映画『トラック野郎』と同時に発足した名門クラブを徹底解剖』