仲介業者には地主との話し合いを持ってほしいその結果の報告をと依頼していたが、いくら待ってもうんともすんとも言ってこない。その間に、こちらはあちこちに言って証拠や証言を集めて回った。弁護士もいろいろ判例を調べて警察へ行ってくれたので警察も告訴状を受け取ってくれる気配になってきた。


で、今頃になって仲介業者から息子に電話があった。


仲介業者の言うのには、「最近、警察が近所の聞き込みまわっている。何卒穏便に話し合いで解決しませんか。」との内容であった。


その電話を聞いて息子は、「いままで、返事もなんにもしないで無視しておいて警察の捜査が始まっていると分かると急に慌てて電話してくるなんて。」とカンカンに怒っていた


仲介業者の普通の場合と言うか今までのやり方では、家を壊された家主がいくらあれこれ言ってきても自分の方からはだんまりを決め込み、シビレをきらした家主からあれこれ言ってきたところを上手くいなそうという作戦であったはずである。地主とは値下げ交渉を繰り返して、たとえ民事裁判になってもこうなったのは地主の支持に従ったまでとうそぶくつもりだったのだろうか。
それでも、電話の内容からすると、「うるさいなあ」ぐらいにしか思っていないことはよく分かる。
父が生きていたらどれほど怒り狂っていたことであろう。