弁護士に会う機会が多くなる。先日も弁護士事務所へ行って色々打ち合わせをしたが、弁護士がいうのには「裁判官は書類重視なので、何でも書式にしなければならない。世間の常識ではとか、普通は、なんてことを言っても何の役にも立たない。」ということであった。


裁判は書式重視なので、証拠書類を揃える必要がある。
裁判官の常識が判決に大きく影響するとすれば、裁判はまるで運・不運に支配されているということになる。


そこで、弁護士が更にいうには「殆どの裁判は民事裁判である。民事裁判にこそ裁判員制度が必要なのだ。」と熱っぽく訴える。民意が反映されない民事裁判なんてありえないというのである。


しかし、日本での刑事事件における裁判員裁判を見ているとその結果がそのまま判決につながらない。裁判員裁判では、プロの裁判官と共に6人の裁判員が判決を決めるが、それは、一審の地方裁判所での裁判のみである。二審の高裁以降、判断をするのはプロの裁判官のみとなり、ここ最近、裁判員裁判の判決を控訴審が覆す「破棄率」が上昇傾向にあるようだ。破棄理由の最多は被害者側との示談や弁償など、一審判決後に生じた事情の変化とされているが、過去の判例に比べることもある。

民事訴訟は、刑事事件が解決するまでは起こすべきではないと思う。同時並行すれば、民事で示談が成立して告訴取り下げという事態もありうる。警察や検事はこれを最も嫌うのもうなずける。

今回のGIGAZINEが巻き込まれた事件を見ていると、警察は告訴しても、その一方で今回のように相手側が訴訟を起こしてきて民事訴訟も並行して行われた結果、示談が成立してしまう可能性もあるが、GIGAZINE編集長としては民事の示談に応じるつもりは絶対にない。この事件は前例のない事件だけに個人の問題としてのみ対処するのは間違っていると考えるのである。時間もお金もストレスも甚大である。しかし、GIGAZINEとしては見て見ぬ振りをして放置しておくことは出来ないのである。

ただ、起こす必要のない恫喝裁判は民事裁判である。その裁判は国民の税金を使って行われる。裁判をやるだけの値打ちがあるかどうかを裁判員裁判に問う制度があってもよいと思う。