地主が訴訟の陳述書に一生懸命10年時効取得について書いている。自分がいかに問題もなく10年以上自分の倉庫として使ってきたかを事細かく書き綴るのである。初めの頃には一切其の話はないが途中から急に出て来るのである。


しかし、10年時効取得に必要な条件は、10年間取得する目的で問題もなく対象となる不動産を占有し、且つ其の不動産の固定資産税を払わなければならない。然るに、地主は建物の固定資産税を３棟において一度も払ったことはないのである。地主は、建物の固定資産税を払うことには気が至らなかったそうで、其の理由として不動産に関しては素人同然だったからとしている。この地主の主張する１０年時効取得については土地の売買契約書にも書かれており、現存する建物３棟については、地主は時効取得しているので解体して滅失登記する旨が書かれている。


日新は地主の言う時効取得について何も調べずに信じたのか。仲介したパワーエステイトの宅建士は確認もしないで売買契約の仲介をしたのであろうか。

地主は其の１０年時効取得をいつ誰から知らされたのか。知っていたのか。

兎にも角にも、地主は現存の３棟の建物は自分のものだと信じていたので、地主は解体しても問題ないと説明し、、パワーエステイトも日新も地主の言葉を疑いもせず建物を解体しようとしたということらしい。日新は自分たちは被害者だと主張する。悪いのは騙した地主であるというのである。

関係者はダーレも何も知らなかったのである。家を壊したのは単なるミスであると。だからこれは、事件ではなく民事で話し合えばよいということらしい。関係者は強引にこのストーリーを押し通そうとしているように見える。


地主が急に10年時効取得を急に内容証明で送ってきた直後に、日新はショベルカーの手が滑ったと言って第２回めの建物解体にやってきたのである。ご丁寧にも直前の夜中には建物の登記簿まで剥がしに来た人がいた。日新は、建物の登記の名義人なんて知らなかったで通すつもりだったのだろう。

日新の方針は「知らなかったなあー」である。地主も「１０年時効取得に固定資産税がいるなんて知らなかったなあー。」という方針を踏襲したのかな。しかし、提出書類（どれのことかは教えるつもりはない）からそれは通らないことがわかる。嘘には必ずほころびが出るもの。