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銀箔に着色した色箔なるものがある。和光箔と親和箔は銀箔を枚ずつ枠に張って油性のペイントの中につけてから引き上げ、熱乾燥させた後、枠から剥がして廻りを綺麗に切ったものである。湖の周りを切ったものを色箔の切り回しとしてブラム単位で売られている。生の銀箔に比べると変色は殆どない。

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色箔の元祖はこの親和箔であるが、研究に没頭する余り特許申請しなかったために、その後も大変だったと聞いている。元祖だけのことはあって、その色数や数えきれないくらい次々と新色が出たそうである。下の方の色箔はらカラーの墨流し模様になっている。神話博の色は綺麗が、退色するのが弱点である。

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和光箔は、種類は少ないが安定供給路線を行っているようである。ただ、廻りをキリキリに切るので、周辺に色ムラがある箔もある。とにかく手作りなので均質性を求めるのは酷なのかもしれない。

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その点、高砂箔は工業的に生産されているので、色質ともに均一である。

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又、高砂箔は経年変化にも耐薬品性にも優れているので、細かく砕いて粉にして「エルジー」と命名してメッシュ別に販売している。

最終的には色箔の殆どはこの高砂箔を使っていた。色箔のほとんどはは着物に使われていようであるが、蒸着箔が主流になり、高価な色箔はだんだん少なくなっているようである。ワタシ的には、色箔というより、コーティングして酸化ドメされた銀箔としての価値のほうが高いように思われる。金箔や生の銀箔よりも厚手なので、初心者でも切箔が可能になる。この色箔を使っていろんな形の切箔を作り作品に貼りまくった時期があった。今では遠い昔の事のようである。ただ、棚の中には沢山の色箔が使われないままに積み重なっている。何か後ろめたくもある。