ミニ小劇場「空威張りは身の破滅」

とかく人は、空威張りをしてしまう。

聞き手が上手に持ち上げるとついついってことになる。

女の場合は空威張りはあんまりしない。はしたないと思うのか、現実的なのか、ぶりっ子なのか。
ごつい女もか弱い女を演じようとするから、必要以上に空威張りはしない。ただ、女を捨てた女には相手を威嚇する必要があるので空威張り以上の凄みを利かせることもある。

その点、男は幼少のみぎりより空威張りは習慣となっている。動物でもオスは少しでも自分を大きく見せるために色々とやっているではないか。男は原始的なのである。空威張りは男たるゆえんなのである。

ところが、勢い余って到底勝つ見込みのない相手にすら空威張り。

実力が互角の場合は、空威張りの度合いで勝負がつくこともある。

空威張りの挙句に勝とうものならもう有頂天。

年下の者になんか、「俺なんかは、ヨウ・・・・」って、調子で延々とほら話を熱く語って訊かせ続ける。

人から人へ尾ひれがついて話は大きくなるばかり。もはや引っ込みがつかない。

そしてある日のことボコボコにやられて、ハイ、おしまい。すべてはバレて、もう誰も相手にはしてくれない。空威張りは身の破滅。　　　完