警戒レベル5「命を守る行動」とは「死んでも知らん」という事なのか?
昨日から今日にかけて台風19号をテレビやウエザーニューズでずっと見ていた。
金曜日から、テレビで「は昭和35年以来の大きな台風が来るから警戒を」と言って呼びかけていた。
何度も何度も警戒レベルについて説明をしていたが、台風が上陸してする前から、災害警報レベル4が出され避難を促していた。
それが河川の氾濫や土砂崩れの発生とともに、警戒レベルが最大級の5になった。
そして、「命を守る行動」を連呼する。今まで避難指示を出しても避難しなかったが、ついに災害が発生して今更避難してもかえって危ないので、「自分の命を守れるように状況判断しなさい」ということだけれど、危険なことを前もって判断できなかった人たちに、適切な行動ができるようにはあまり思えない。もっと具体的に報道すべきではないか。しかし、その事によってまずいことになれば責任を取らされるのも困るらしい。かといって何も言わなければそれもまずい。そこで上の方で思いついたセリフが「命を守る行動」という何かよくわからない呪文。去年、近畿を襲った台風21号の時はこんなに大騒ぎをしなかったし、「命を守る行動を」というセリフの連呼もなかった。しかし、スレートの塊が飛んできた時は死ぬかと思った。
「少しでも命が助かる方法を選べ」と言っても。台風慣れしている関西の人間でもかなり難しいのであるのに、あまり大型台風が上陸しない関東の人たちにとっては具体的に状況判断をする事は尚更である。
窓ガラスにテープを貼る効果的な方法(テープは窓枠にガラスを固定するように周りに外側から貼る)とか、カーテンは閉めるとか、ブルーシートやロープはどのぐらい必要かなど、同じことを繰り返さないでもっと役に立つことを報道すればどうか。それなのに、河川の氾濫と一口に言ってもいろんな状況があるし、電線が倒れたときの注意など報道すべきことはいっぱいあるにも関わらず、ニュースの間にドラマを流すNHKの無神経さ。公共放送なればこそ、こんな時は微に入り細に入り対策情報を流すべきではないか。
台風の災害は100%天災だけではない。半分ぐらいは人災ではないかと思う。もし人の叡智の限りと努力を尽くせば被害はもっと小さくなるのではないか。
こんな事を考えながら、「命を守る行動を」というキャッチフレーズを見ていると、「死んでも知らんぞ。言うべきことは言ったからな。」と言っているように思えてならない。
野次馬根性でセンセーショナルな映像を流す暇があれば、もっと具体的な対策情報を流すべきではないか。どうすればどれぐらいの効果があるかとか、台風の進行方向かって右側は風台風に左側は雨台風になる理由とかも、台風が来ている臨場感があれば理解しようという態度も変わってくるはずである。
何をこんなに怒っているのかというと、今後温暖化によって毎年こんな大型台風がやってくるかもしれないとしたら、生活自体をもっと見直す必要があるということである。なのにそんな話題は全く出ない。一言もない。
「命を守る行動」とは「地球を守る行動」ではないのか。