タイガーバーム・今と昔の比較して分かること。
最近作られた新しいタイガーバームを頂いた。タイガーバームは、我が家では子供が小さい頃、風をひいて咳が止まらないときなど胸に塗る常備薬であった。
自宅の20年ぐらい前の骨董品的なタイガーバームを残してあったので比べてみることにした。
外箱は古いタイガーバームではとっくに無くなっているので、比較は瓶とラベルと中身だけ。
まず金属製の蓋を比較してみる。右側の新しいほうがトラが大きく、「萬金油」の「萬」の字が新しいほうがはっきりしている。
どちらかと言えば古いほうがレトロな感じがして良いような気がする。タイガーバームの意味は優しい虎という意味だそうで、シンガポールで開発されその後100年以上もの長きに渡りアジアを中心として世界中で販売されてきた家庭の常備薬である。鎮痛・鎮痒・収れん・消炎薬などに効果があるとされている。
瓶の裏を見ると、左の古いタイガーバームには「寅」という文字と「タイガーの絵」と「TIGER」の英字の浮き彫りがある。
「虎標萬金油」の文字。古いほうが手が込んで複雑で風情がある。
古い方のタイガーバームは6カ国の文字で表記してあるが。新しいものは2ヶ国語のみ。
新しいタイガーバームは、あか(レッドタイプ・温める)と白(ホワイトタイプ・冷やす)の2種類があるが古いものは冷やすタイプのみ。
消費期限の表示が古いものは後からハンコで押したらしく今では擦れてよく見えない。新しい方は成分や効能期限も今風の表示になっている。
タイガーバームの成分はd-カンフル、ハッカ油,ユーカリ油,l-メントール,チョウジ油などで、皮膚から患部に浸透して血液循環を良くし,筋肉の疲れ,痛み,肩のこりに効果があるとされている。我が家ではもっぱら鼻詰まりや咳が止まらないときの特効薬として使ってきた。スースーとしたハッカ油やメントールなどの香りが強く鼻詰まりのときにはこれがよく効いた。大塚製薬のオロナイン軟膏やロート製薬のメンソレータムに似ている家庭常備薬である。
古いものは蓋を開くとすぐにツーンとした強い香りがするが新しい方は、それほどではない。カンフル等の割合を減らしたようである。
旧新の比較から一番現在の社会状況を表しているのは、タイガーバームの名前の表示が、古いものは6カ国の文字表示があり、新しいものは英語と中国語の2ヶ国語の文字表示のみである。現在の世界では世界の経済の中心は中国とアメリカであり、言語も中国語と英語がわかれば世界中で通じるので、NET上のお買い物にも不自由しない。
現在では日本国内では販売されていないので、シンガポールや台湾の定番土産となっている。