新型コロナウイルスの感染防止の為、近頃やたらと抗菌剤入りとか殺菌剤入りとかいうものを買う。殺菌剤は菌を殺す薬剤という意味で、だいたい成分が明示してある。しかし、抗菌剤は菌をそれ以上増やさない物質ということではあるが、成分の欄をみると、単に「天然物由来抗菌物』とのみ書かれている場合が多い。一体、何が入っているのか気になって仕方ないので、この際調べてみることにした。
【1・微生物・細菌類に由来する抗菌物】
・ペニシリン・ストレプトマイシン(バクテリアの生育を抑える抗菌性抗生物質)
・アムホテリシンB・ミカファンギン(カビの生育を抑える抗真菌性抗生物質)
・麹菌由来の抗菌物質(イーストサイジン)
・乳酸菌バクテリオシン

【動物に由来する抗菌物】
・乳タンパク質ラクトフェリンの抗ウイルス・抗菌作用と活性増強
・乳タンパク質ラクトフェリンの抗ウイルス・抗菌作用と活性増強
・カニ殻由来の新素材「キチンナノファイバー」を用いた抗菌剤
・昆虫の翅にあるナノ構造と抗菌特性
・昆虫由来抗菌ペプチド(アピデシン)
・プロポリス(ミツバチの巣に使われている樹脂状の物質)
・キトサン(エビやカニの殻、昆虫の胴体、脚、翅などに含まれるほか、キノコや酵母、カビの細胞壁の主成分)

【植物由来の抗菌物】
・カテキン類の抗菌活性 (フラボノイドの1種でお茶に含まれる)
・ポリフェノール(ほとんどの植物に存在する苦味や色素の成分)
・ヒノキ(ヒノキチオール)
・きのこ由来揮発性物質の植物病原菌類に対する抗菌作用
・コメ由来ディフェンシンの抗真菌活性
・スギ樹皮テルペノイド類の抗菌活性
・カラシ、ワサビ抽出物(アリルイソチオシアネート)

植物は病原菌の感染に対しては抗菌活性物質を,植食性動物に対しては忌避物質あるいは毒性化合物を蓄積することにより自らを守っているのである.

「化学物質」→「人工物」→「危ない物」・「天然物」→「安全・安心」という既成概念に基づき植物由来天然物は「植物」が持つ“自然”を想起させるイメージのため,より「安全・安心」なイメージを生み出している。

しかし、
・ジャガイモの毒素はsolanineやchaconineとよばれるステロイドサポニンアルカロイド
・セロリをはじめとするセリ科植物は病害防御物質としてのフラノクマリン類
・アブラナ科植物に含まれる辛味成分イソチオシアネート
等に見られうように人体に対しては毒のものもある。
自然は人体にとってのみ都合良くは作られてはいない。

天然物由来の抗菌物は昔からの使用実績が有り、安心感もある。天然系抗菌剤は、合成系抗菌剤に比べて耐性菌が生じにくい利点もある。今後もこの方面の研究は進み、人類にとって多大な恩恵をもたらしてくれるものと思われる。