なぜワクチン接種を拒否(ワクチンヘジタンシー)する人がいるのか。
新型コロナウイルスワクチンの接種目的は、
•発症予防又は重症化予防の効果と、生命・健康へのリスクの軽減や医療への負荷の軽減が図ることを目指す。
•死亡者や重症者の発生をできる限り抑制することにより、結果として新型コロナウイルス感染症のまん延防止を図る。
その結果として【集団免疫】ができる。
人口の一定割合(7割)以上の人が免疫を持つと、感染患が出ても、他の人に感染しにくくなることで、感染症が流行しなくなり、間接的に免疫を持たない人も感染から守られ、この状態を集団免疫と言い、社会全体が感染症から守られることになる。
又、新型コロナウイルスに感染したことのある人も、ワクチン接種を受けた方がいい。その理由は、再感染を防ぐためと、ワクチン接種の方が抗体価が高くなるからである。
一方で、ワクチン接種を拒否する(ワクチンヘジタンシー)人も多い。NET検索をしたり、自治体のコロナ電話相談室に電話をすれば不安や疑問は解決するはずである。しかし、特別な理由もなくワクチンを忌避する人達もいる。
ワクチンを拒否する人たちの社会経済的要因を研究したグループがいる。
広島大学大学院人間社会科学研究科経済学プログラム 角谷快彦教授らの研究グループは、株式会社日経リサーチの協力を得て、2021年2月に全国でコロナワクチン接種への人々の反応を聞いたデータを分析。以下はその抜粋。
【研究成果】人々がコロナワクチン接種を躊躇する社会経済的要因を明らかにしました~COVID-19ワクチン接種の効率化に科学的なエビデンスを提示~
掲載誌: International Journal of Environmental Research and Public Health
論文タイトル: Willing or Hesitant? A Socioeconomic Study on the Potential Acceptance of COVID-19 Vaccine in Japan
株式会社日経リサーチの協力を得て調査を実施。
【調査方法】インターネットによる調査(全国の20歳以上の男女を対象)
【調査時期】2021年2月19日~26日
【有効回答者数】6,103(有効回答割合35%)
【本研究成果のポイント】
・ 2021年2月に実施した全国調査(※)結果を分析し、人々がコロナワクチン接種を躊躇する社会経済的要因を明らかにしました。
・ コロナワクチンの接種が無償で受けれるようになった際に、ワクチン接種をするかを聞いたところ、47%の回答者が積極的に接種を受けたいと回答した一方、22%の回答者が接種に消極的で、31%の回答者が態度を決めかねていることがわかりました。この結果は、53%の回答者がワクチン接種に躊躇していることを意味します。
・ ワクチン接種にネガティブな影響を与える社会経済的属性としては、性別(女性)、年齢、主観的な健康不安、子供がない、家計収入および家計資産が低い、金融リテラシーが低い、将来不安が大きい等がわかりました。コロナワクチンの早期普及による集団免疫獲得に向け、効果的なワクチン接種への応用が期待されます。
根拠のない不安からワクチン接種を忌避しようとする人たちの根底にあるのは、社会的・精神的な孤立感が起因しているのでないか。他からは一見して孤立していないように見えても、実際には精神的に孤立の不安感に付きまとわれている場合もある。被害妄想的にワクチン接種は死を意味すると思い込んでいる場合すらある。
コロナワクチンの考えられないようなデマをまじめに信じている人の精神傾向等を次は考えてみたい。