ロシアの砂糖はてんさい(ビート)から作られる甜菜糖である。
ウクライナ侵攻が始まって以来、ロシアで買い占めが起こったという砂糖は、日本ではあまり見られない「てんさい糖」である。
日本では、サトウキビから甘蔗糖、テンサイから作られた甜菜糖、トウモロコシなどのでん粉から作られる異性化糖等がある。砂糖の自給率は40%であとは輸入に頼っているのが現状である。
上の画像はサトウキビで、日本では沖縄や鹿児島県で作られている。サトウキビは台風などの自然災害に強い作物である。
一方、ロシアの砂糖は、甜菜(ビート)糖でこれは、上図のテンサイという芋から作られていて、寒さに強い。寒冷帯に属するロシアでは甜菜糖が主流である。ロシア国内の生産量は消費量の3分の一にも満たず、後はキューバなどからの輸入に頼っているのが現状である。その分人工甘味料の生産は毎年増えている。
ロシアの甜菜糖の60%は家庭用である。過去の飢饉の際の大切なエネルギー源であったことから、戦争が起こると高齢の国民は砂糖を備蓄する傾向があるため、店頭から砂糖が消えるようになるのである。
テンサイは和名テンサイ(甜菜)・サトウダイコン(砂糖大根)、英名Sugar beet(シュガービート)、学名は(Beta vulgaris ssp. vulgaris)であり、ヒユ科アカザ亜科フダンソウ属の二年生の植物。
ビートの砂糖用品種群であり、寒さに強く、寒冷地作物として中高緯度地域で栽培されている。サトウキビとならんで砂糖の主要原料であり、根を搾ってその汁を煮詰めると砂糖がとれる。
また、テンサイのベータブルガロシド (betavulgaroside) 類には小腸でのグルコースの吸収抑制等による血糖値上昇抑制活性が認められるため、近年その効用からも注目を浴びている。
日本では、北海道を中心に栽培されており、テンサイから作られた砂糖は甜菜糖と呼ばれ、国内原料による日本の砂糖生産量の約75%、日本における砂糖消費量の25%を占める。
甜菜糖を食べたことがなかったので早速買いに走った。甜菜糖そのままを食べてみたが、マイルドな味わいで気に入ったので、ここしばらくは甜菜糖を料理などに使うことにした。
最近、糖質制限という言葉をよく聞くが、糖質の過剰摂取は体に多大な被害を及ぼすことが知られている。
砂糖を摂取すると脳にドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなどの脳内神経伝達物質が分泌される。これらは、人に幸福感や癒やしを与える麻薬のような性質を持っていると言われる。疲労時やストレス時の度に、甘いものを食べて幸福感や癒しを得るようになると、この快感が中毒のように「砂糖を取ること=幸せになる」と無意識に脳が感じるようになり、快感を得るために砂糖を摂る砂糖依存症となる。いわゆる、「シュガー・ジャンキー」である。
糖質が大量に消化されると、ビタミンB群、カルシウム不足に陥り、鬱状態、低体温状態、骨粗鬆症、老化を進行させる「糖化」などを引き起こす。また、ヘロイン、コカイン、ニコチンやモルヒネといった麻薬性の物質を摂取した時に脳で活性化する反応に酷似しているので禁断症状も引き起こす。その上、砂糖の過剰摂取で攻撃的な性格になるという研究結果も出ている。
砂糖は、飢饉のときには天使の食べ物となり、過剰摂取すれば悪魔の薬となる。