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大阪で万国博覧会があった頃、日本経済は右肩上がりで、進歩発展は永遠に続くものだと漠然と考えていた。その頃、団扇でもなければ扇子でもない「フラワー扇」とか「まわり扇」とかいうものが、あちこちで出回っていた。

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こちらは、京都の扇屋さんが作って売りが出した扇。柄は、プラスチック製である。

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扇屋さんによってネーミングが違い、「フラワー扇」とか「まわり扇」と呼ばれていた。扇屋さんの話では、万博の時はものすごく売れたそうである。今では見かけることもなくなった。景気が良かった頃の日本の象徴のように思える。

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こちらは、中国製で折りたたみ団扇。あくまでも団扇である。「上海」の印がある。柄は金属製。

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360度に開くと、円形ではない。中国の団扇の形である。図柄もいかにも中国っぽい。こちらのほうは、かなり最近まで中国物産展で見かけたような気がする。
今や、世界経済は、中国を中心に回っているかのようだ。この二つの扇を見ていると、プラスチック製の日本と金属製の中国というその後の行く末を暗示していたかのようである。