能面
リサイクルショップで、能面の壁掛けを買った。この面は、ほわっとした暖かみのある優しさに魅力を感じる。お土産用に作られたにもかかわらず、経年変化で古色を帯びて色合いも落ち着いている。お多福さんに似ていて、愛嬌がある。
近頃の京都で見かけるお土産用の能面とは、かなり雰囲気が違う。何か無機質で冷たい。面の色もピュアーホワイトに近く、いかにも今できた大量生産の新品でございますという感じ。いつか、彩色を加えて整形手術してみよう。いや、お化粧直しか。
「お多福さん」にライトの当て方を変えてみると、又違った表情になる。少し、おすましになった感じ。二つの面で最も違うのは、口元。能面の本を見てみたが、私の持っている本の中にはこの様な口元の能面は無かった。
兎に角、人型の顔というか、面に引きつけられる。思わず、衝動買いをしてしまって、これ又、衣装箱3つ分にひしめいている。作品の参考資料だと自分を納得させている。買った面の他に、自作の面や、加工した面なども一杯有る。いつも、これが最後と思うが、直ぐ忘れてしまう。