3・11の人為的悲劇
3・11の東北大震災から今日で3年経った。1・17の阪神大震災との大きな違いは、なんであろうかと考えた。
大きな地震が起ったことだけが、共通点である。地震は、自然災害なので、逃れる術は無い。只、関東に比べて、関西の建造物の強度はその基礎部分からして数段弱いと言われている。建造物の強度がもう少し強ければ、阪神大震災で亡くなった人達を減らせたかもしれないと思うと残念でたまらない。
東北大震災の被害を大きくしているのは、地震が引き起こした津波である。生まれて初めて津波の恐ろしい映像をテレビで見て、TUMAMIと言う言葉が世界語となっている日本という国の特殊地形を改めて思い知った。日本の町の大部分が海岸近くの堆積平野に開けているのだから、津波もまた避けることが出来ないと言える。しかし、家を失い家族を失った人達の悲惨さに胸が締め付けられた。
自然災害からの復興を妨げている最大の原因は福島の原発事故である。
地震だけで、原発事故は起こりえなかった。津波の威力に原発の建造物が耐えられなかったこと、冷却装置の事故を予測して予備の冷却装置を作っておかなかったこと。最悪の事態を予測して原発を作らなかったことが最も大きな人為的災害である。
津波のせいで、原発事故は起ったのでは無いこと。福島の原発を作っている昔の映像をNHKで放映していたが、その映像を見て唖然とした。福島原発の位置は、今の海抜よりも10メートルほど土地が高かった。冷却用の海水を取り込みにくいので、土地を削って低くしたらしい。自民党の中曽根さんが中心となって、湯川秀樹さんたちの学者の反対意見を押し切って、アメリカ式の原発を土地を削って作ったということだ。原発がもう少し高台にあったなら、こんなに大きな事故にはならなかったのではないか。アレコレ今になって後悔しても始まらない。原発から漏れた放射性元素についても、セシウムのことばかり問題にしていたが、測定しやすいからに他ならないという事実。風評の影に、放射能被害の事実を追いやってしまったこと。3月11日は、東北だけの問題では無い。日本国中に散在している原発の恐い事実をも思い起こす日にして欲しい。
目先の事だけしか考えられない安倍政権の与党の方々、是非、福島原発の近くに家族共々居住されてはいかがかな。それが厭なら、そう簡単に原発再開宣言をすべきではないと思う。
今後の日本の為にも、首都を東京から福島に移転すべきかも。当然、議員会館も原発が見える位置に建てる。こうすれば、東北の復興も速まるし、原発についてももっと慎重になるはず。
絵描きの私に出来る事は、絵を描くことだけと考え、津波と原発の絵を描き続けた。いつの日にか公開したい。今は余りに痛々しい。東北の復興が6割方進まないことには、とてもその気にならない。