
この彫像は、決して殺人現場の再現ではない。南米の歯の治療風景を模した像である。

よく見ると、患者は、口を開けて舌を出している。白衣を着た歯医者は、右手に金槌、左手にポンチを持っている。
こんな歯医者が現代の日本にいたら、きっと警察に逮捕されると思う。それに、この状態で口を開けてじっとしている患者もいない。みんな必ず逃げる。

ここに見えている道具類は、歯医者のものではなく、大工の道具である。国立民族博物館で見た彫刻である。どこの国かよく見ていなかったが、南米の20世紀初頭の歯科治療だそうだ。他にも、恐ろしい像はあったが、この彫像がダントツであった。