昔のミシンが懐かしい
私の母は、私が3才の頃から洋裁店を始め、高校2年生の頃まで15年間ずっと続けていた。初めは、洋服の仕立て直しから始まった洋裁店であったが、やがて、ミシンが5,6台も並び、若い縫子さん達が毎日通ってくるようになり賑やかな仕事場となった。その頃のミシン第1号はこの写真にあるようなシンガーの家庭用ミシンであった。博物館に展示されていたこのミシンを見て懐かしく、幼い日々を思いだした。
このミシンは、初めてで、手回しミシンである。誰かだ横でミシンを回すのであろう。かなり古い形である。
ミシンに描かれている花の模様が、いかにも西洋のクラシックな雰囲気を醸し出している。ミシンが高級品であった頃の装飾である。現代のミシンではお目にかかれない模様である。工芸品のようなミシンである。実家のあのミシンは一体どうなったのかな。業務用のジューキミシンを1台だけは、今でも愛用している。使い慣れた機械は、何となく自分の手の延長のように感じるものである。