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金箔については前回に書いたが、一般に金箔以外では、銀箔とプラチナ箔であろう。左から金箔、銀箔、白金箔である。真ん中の銀箔のサイズが一回り大きのがわかるが、このサイズが一般的である。箔の値段は、枚数によってかなり違ってくる。金箔は、10枚毎に間紙が2枚入っている。100枚毎に赤い紙の印がある。白金箔も同じであるが、銀箔は100枚毎に間紙が2枚になっているだけであった。縁付の銀箔なら同じようになっているのかもしれないが、銀箔を10枚で買うことはまずない。よく値段を聞かれるが、目安として答えているのは、金箔一枚300円ぐらい、銀箔一枚50円ぐらい、白金箔一枚500円ぐらいと答えることにしている。金箔でも4合金1000枚だと一枚100円位下になる。

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箔を買って包紙を開くと十文字に細い絹糸でとじてあるが、これは箔がバラけないようにするためである。最後の糸の部分はねじっておくだけにしないと、箔に後形がついたり穴が開いたりするからである。特に断ち切りの箔の場合は、この糸でちゃんと閉じておかないと箔の廻りがボロボロになってくる。

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左から金箔、銀箔、白金箔である。銀箔の廻りが経年変化かで酸化して茶色に焼けている。右の白金箔は光線の具合で黒く写ってしまったが、実際は銀箔とアルミ箔の中間ぐらいの色合いである。とにかく、金箔と白金箔は酸化して変色しないということである。

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銀箔と白金箔の違いはこれぐらい。実際に見ると、銀箔のほうが和らい感じがする。又白金箔は展性が低いので余り伸びが良くないために硬い。

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銀箔に似ているのがアルミ箔。左がアルミ箔。右が銀箔。アルミ箔はサラサラしていて、酸化すると白っぽくなっていく。アルマイトの鍋の色である。一方、銀箔は酸化すると茶色っぽくなってやがて黒くなっていく。銀のこの酸化変化を利用したのが、金箔の代用である中金であり、焼箔の赤貝箔、青貝箔、黒箔である。因みに、アルミ箔では、切箔は出来ない。切箔にできるのは、金箔、銀箔、白金箔である。

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左が金箔、その金箔の代用箔として、中央が洋金箔、右が中金。洋金箔は、銅が87%、亜鉛が13%の合金でいわゆる真鍮である。左の中金は少し酸化が進んで赤っぽくなってしまったが、薄い金茶のような色で、普通はこの中金を貼ってから、酸化ドメに上からかけるドウサ(膠水にミョウバンを加えたもの)に黄色の染料を混ぜてひいたりしている。

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左の真鍮箔の洋金箔も廻りが経年変化で濃くなっている。右の中金も中央と廻りでは色が違っているのが分かる。
このように金箔の代用箔には色々苦労してきたわけであるが、戦後、考えだされたのが銀箔の着色箔であり、工業用のアルミの蒸着転写箔である。

この箔の撮影はしんどい。大変なのである。この続きは次回に。