P2380581
この本は、20歳の成人になったら読むべき本ではないかと思う。女性はもちろん男性も読むべきかもしれない。
読みやすい語り口の文体である。

P2380582
子供を生むことに対する漠然とした不安を軽くしてくれるだけでも読んだほうがいい。読んでマイナスになる要素なない。私的には、子供を生む前に読んでおきたかったと思うが、そのころ、この本はまだ出版されていなかった。実に残念。廻りの若い女性には薦めている。最後のほうで、「子供は親を許すために生まれてくる。」という筆者の言葉が心に響く。

P2380583
タイトルだけでも紹介したい。以下、「オニババ化する女たち」からの引用である。

はじめに オニババ化とは何か

第一章 身体の知恵はどこへいってしまったのか

      性と生殖への軽視
      自分のからだに対する漠然とした不安
      子供を生むのは恐怖である?
      女としての生活を楽しめなかった戦後世代
      憧れの「病院出産」
      娘の生き方に嫉妬する世代
      からだの持つ「子育ての力」
      心に届かない近代医療の「知識」
      病院がないと幸せになれないのか
      産む人と産まない人とのギャップが広がっただけ
      ポリネシアの驚くべき避妊法
      インディオは更年期を楽しみにしている
      一年間かけて伝えられる母の知恵
      月経血をとめられれた日本女性
      「毎月生まれ変わる」という発想
      お産の達人だった日本人
      上の世代の話があると不安が消える
      自分の体の声に耳をすます

第二章 月経を「やり過ごして」よいのか

      骨盤底筋がたるんできた
      くるくるお丸めた綿花を詰めていた
      八十代ではナプキンが主流に
      京都の芸姑のの世界ーー生ずきの紙
      詰めた部分に意識を集める
      「トイレで出さないなら、どこで出すの?」
      現代にもいた「出来る」女性
      言語化する必要のなかった身体知
      なぜ九十代から次の世代に伝わらなかったのか
      女性性の中心軸を作る

P2380584
第三章 出産によって取り戻す身体性
      「痛くて辛い出産」はどこまで本当か
      中高年に植え付けられた「股を切られる恐怖」
      医療を「水のように」享受する危険性
      日本に助産婦が残った「幸運」
      「ヒッヒッフー」はもう古い
      お産と女性の変化
      「原身体経験」の砦としてのお産
      お産は「受け止められた体験」を作り直す場
      継続ケアがあれば「救急搬送」は少なくなりうる
      「あと回し」にされた母性保健
      施設化が生んだ恐怖の中の出産
      ブラジルに助産所を
      お産に「きまり」は必要ない
      お産が怖い産科医
      「辛い出産」でも大丈夫

第4章 女性はなぜオニババになるのか
      「負け犬」より心配な「その他大勢」の女性たち
      「女として生きろ」というオプションがない
      性体験はからだをゆるめていく経験
      宙ぶらりんのままのからだの欲求の行方
      少子化対策の的はずれな感じ
      なぜオニババになるのか
      身体は共に生きる誰かを探している
      「子宮を空き家にしてはいけない」
      若者は背中を押されるのを待っている?
      性体験はもっと深いもの
      アメリカ流の薄ッペらい性行動
      卵子のも個性がある
      子宮口にも心がある
      「おさんはセックスから始まる」
      セクシュアリティの流れが悪いと病気になる
      行き場を失ったエネルギーをどうするのか
      「盛り」としての持ち時間は意外に少ない
      娘の生殖年齢をスポイルする親たち
      
P2380585
第五章 世代をつなぐ楽しみを生きる
      早婚のすすめ
      仕事はゼロにしなければいい
      体を張って母親を守る大人がほしい
      命の勢いがあるうちに出産する
      セックスするなという性教育
      授かった命は愛するという発想
      日本にもいた「早婚の民」
      出産を選びとる若い女性の増加
      家族の楽しみ
      子育てにエロスが足りない
      大人になる楽しみを教えよう
      「めかけ」のすすめ?
      子供は矢にして放つものである
      母親の軸がないとしつけができない
      子供はすべてがわかっている存在
      ブラジルでは子供をせかさない
      抱きとめられて育った身体
      身体の欲求と援助交際
      おばあちゃんも受け止められていない
      昔話が伝えていたからだの知恵
      いつまでも自分のことばかりに関心がある世代
      子供は親を許すために生まれてくる
      女性はからだに向き合うしかない
      自分の体を良い状態にする
      いつもよい経験に戻っていける
      女性性が男性を導く

以上。(タイトルを書き写すのはしんどい)

ネットでこの本の感想を見てみると、賛否両論真っ二つに別れる。しかし、このほんを読んで時間の浪費だったという人は見当たらない。とにかく一度は読んで見る本である。