ペーパーを使って、凹凸のレリーフを造る試作をする。


凹凸のある画面にアートすると、ボリュームが有って簡単に迫力を演出することが出来る。


この場合は、軽量紙粘土を使用した。


ムラムラになった紙粘土を筆につけて、画面上に塗りつけて乾かせば良い。


これは同じく軽量紙粘土で凹凸をつけ乾かないうちに乾いたティッシュペーパーを貼り付けその上から筆で空気を抜く。


更に、粘土ベラで筋を付けて乾かす。


後は、エアーピースでアクリル絵の具を噴霧する。


濡れた上に乾いたティッシュペーパーを貼り付けて乾かすと、濡れて伸びたティッシュが乾いてそのまましわとなって残る。


自然にできたマチエールは、嫌味がない。


今度は、トイレットペーパートをちぎって水に溶かしたものにとPVA(合成糊)を入れて作ったモロモロの紙粘土を敷き詰めて土台を作る。


乾かないうちに丸い粘土ベラで筋をつける。この場合自分の好きな凹凸をつければ良い。


今回の色付けは始めにエアーカラーを塗布し、それが乾いてから筆で金属色を軽く塗って、変化を付けた。


これは、先程のトイレットエイパー粘土で作った土台の上に、ティッシュペーパーを貼り付け、乾かないうちに丸い形のエンボスを付ける。


小さいギザギザの円はアート・フラワーの型で付けた。


カラーは、同じく始めにエアーピースで、次に筆で金色を塗る。


今度は、和紙を貼り付けて形を作る。


土台は紙粘土を溶かしたものを塗ってかわかし、その上に筆で色をつける。和紙を水を付けて切った物の上に色を塗り箔を張ったものを用意する。


土台の上に装飾した和紙を貼る。


箔は、金属粉と違ってパリッとした質感が良い。


これらはあくまでも実験の試作なのでこれらを組み合わせて作品を造るのである。


最後に気に入ったマチエールを再度やり直してみる。


以前の花のバージョンを、もっと淡く自然に作り変える。


エアーピースも一方方向から噴霧して立体感をもたせる。


かすかな凹凸やシワを、エアーピースで際立たせる。


接写するとどの順番で作ったかよく分かる。

色んな手作りの作品を見るとどのようにして作ったかを考えるのは面白いし、それを模倣するのは、プロの造った料理を再現するのに成功したときの満足感と似ている。色んな事に挑戦して自分の手を汚してみないことには腕は上がらない。頭の中だけで絵を描くことは夢を見ているようなもので時間とともに消えていく。個人の積み重ねがもっと大きな規模でなされると文化になる。

教えてほしいと言って色んな人がやって来たが、私の持っている技術の一つだけで満足し、それ以上を望む人は殆どいなかった。課題を出しても、その何分の一しかやってこない人が多い。課題の何倍もの努力をした人は未だにいない。同じやるのなら、何故もっと一生懸命にならないのか不思議で仕方ない。