ミニミニ小劇場・「みんな」って、どこにいるの?
A「ねえ、みんな、貴女のことを非常識って言っているのを知ってる?」
D「みんなって誰のことよ。貴女のことじゃあないの。」
A「そういうことが非常識だって言うのよ。」
C「Aさんは、そんなに常識だらけなの。常識って何だよ。」
A「世間のみんなが暗黙の了解をしていることよ。あんたらホントになーにも知らないって、みんな言ってるよ。」
C「お父さん、皆って何処にいるの?」
父「話の都合ででっち上げた幽霊だよ。」
C「常識ってなあーに?」
父「それはなあ、誰にとっての常識かということをよく考えにゃならん。皆とか常識とか世間とかを連発するやつに限って自己認識のおかしげな輩がいっぱいいるというこ とをよーく憶えておくことだな。」
C「お父さんにとっての常識ってなんなの。」
父「色んな人の意見を聞いて自分の頭でよーく考えることかな。そして、行動に移す時は、自分の良心に訊いてから慎重にってことかな。」
C「お父さんは、小さい頃からそんなふうじゃなかったでしょ。」
父「ちびの頃は、世の中のことってぼんやりとしていたなあ―。」
C「僕も世界のことなんて謎だらけだよ。いつになったら、分かるようになるん。」
父「大人になればなるほど分からんことが増えるなあ。子供の頃は、ぼんやりとしていたことが大人になるとはっきりと分からんと分かる。」
C「僕、もう大人にならなくてもいいや。」
父「そんなことを言っとると、世間の皆に笑われるぞ。」
C「セケンのミンナ?」