普通グリッターといえば、ネイルアートやアクセサリーや手工芸に使うポリエステルグリッターのことである。此のグリッターは、ポリエステルフィルムに着色し、アルミを真空蒸着したものを、細く千切りし更にみじん切りにしたものである。大きさや形は色々である。星型や六角形、ハート型や短冊形などもあり、値段も手頃である。その他では、アルミの蒸着をせず、干渉光のみのオーロラフィルムなるものもあるが、やはり原理は同じである。

これらのグリッターしか知らなければこれで十分美しいと思えるのであるが、ガラスのグリッターを一度知ってしまうと、ポリエステルグリッターの美しさに影が差してしまう。時々、アクセサリーなんかに使われているのを見るが、使い方がイマイチでその良さを十分にいかせていないのは残念である。


20年ぐらい前に、日本板硝子が開発したメタシャイン。今もこの名前で売られているのかどうかは知らない。
次々と小瓶に入ったサンプルを持ってきては、どのように使うかのアドバイスを訊いてきた。


そのうちに、営業のお手伝いまでさせられて、アドバイザー料として現物支給ということになった。
それで、今ではもう生産されていないメタシャインを持っているのである。


薄いガラス(5ミクロンから2ミクロンの厚さ)に銀を真空蒸着して砕いたものをメッシュごとに分けたものである。


銀はすぐに酸化して変色するので、砕く前にエポキシ樹脂で表面加工して変色を防いだものが、改良版としてできた。此のメタシャインを2液性のレジン(2液硬化型エポキシ樹脂)の混ぜるときれいに輝く。その銀のキラキラの輝きたるやポリエスグリッターの光の比ではない。


メタシャインの言う前は、開発部では、セラミックフレークと言われていた。これは未だ初期の頃の銅のセラミックフレーク。


メッシュの荒い銅のメタシャインは今では赤く変色してキレイ。これは商品にはならなかった。


量が少ないので未だ使ったことはない。眺めているだけである。


これが一番細かいシルバーのメタシャイン。2ミクロンのガラスに銀を真空蒸着して3000メッシュに砕いたものである。


金色も試作されたが、あまりに値段が高くなるので現在では作られていないと思う。


左側は、銀をベースにして作られた金色メタシャイン。右が純金のメタシャイン。お茶碗いっぱいが100万円するとか。


純金のメタシャインは、細かくなるに従って見た目には濃い茶色に見える。


その他にもクロームやニッケルやステンなど様々な金属が試された。


黒くてメッシュの荒いクロムは美しい。


250メッシュの此のメタシャインが私のお気に入り。


現物支給でいただいたメタシャインもだんだん少なくなっていく。なんとかもう一度日の目を見ないかとブログに書いてみた。

メタシャインを使ってみたい人は、ダイソーの社長か、工芸材料の卸会社に執拗にお願いしてみてほしい。日本板硝子は大きすぎて駄目かもしれないけれどまず株主になって株主総会に行くという手もあるかもしれない。その他、蛇の道は蛇であれこれやってみてほしい。私も若いときは、欲しい素材を手に入れるためには必死であった。お金の問題ではない情熱の問題である。

もう、体力的に無理なので私には出来ないが、メタリック好きの若い皆さん、なんとかがんばってください。

少し体力が出てきたら、私の作ったアクセサリーを公開しなければと思っている。現物を見てみないとその美しさはわからないと思う。キラキラ素材はデザインよりは材料勝負である。メタリックな美しさとガラス質の美しさを兼ね備えたものに、残された時間でもう一度チャレンジしてみたい。