リサイクルショップで見つけた漆塗りに螺鈿細工の小箱。これは、リサイクルショップというよりは骨董屋さんに置かれるべきものであろうと思われる。


蝶番が真鍮製の亀のデザインで、しゃれている。箱の角もきれいなアールを描いていて漆が厚く何度も塗られている。手で持った肌触りが何とも言えず温かくて優しい。


中を開くと、茶色の毛足が長く密な高級ビロードが張り巡らされていて、蓋の裏には鏡がついている。鏡がついているので、この小箱はアクセサリー入れだと思われる。


これだけの品物の値段が200円だということが信じられない。

つまらないプラスティック製で大量生産の箱でも、有名なアニメのキャラクターが着いていると言うだけで500円もの値段が付いていたりする。リサイクルショップの値段を付けた方は、この螺鈿の小箱をプラスチックの量産物だと判断したのだろう。本漆とプラスチックの違いもわからないに違いない。

特に昔の手作りの工芸品なんかは、NET検索しても出てこないのでショップの人達も判断のしようがなかったに違いない。このような掘り出し物があるのでリサイクルショップ巡りはやめられないのである。

息子が暇に任せて、電子部品や電子機器を求め車に乗って色んなリサイクルショップ巡りをするのについていくので、思わぬショップに出くわす。何ゆえか、私は物の値段をよく覚えているのと、美術館巡りをしたせいで目は肥えているつもりである。そのせいで、我が家には使いもしないものがいっぱいある。倉庫まで作る羽目になってしまった。道楽も過ぎると後始末が大変である。私がお陀仏した後、息子たちのために1つずつ説明書を付けておくべきかと思うことがある。そうすれば粗大ゴミにならずにすむかと。