刑事事件に於いて弁護士として加害者(被告人)側に付く場合は、告訴状を書く必要はない。起訴されて裁判で判決が出るまで被告人側に立って弁護するのである。NETをみてもわかるように刑事事件の弁護士はほとんどがこちらである。告訴状は普通は警察が書くのであるが、警察が犯罪性はないとしているが被害者側が犯罪性はあるとして弁護士に頼んで告訴状を書く場合がある。被害者が自分ひとりで警察へ行って告訴状を受け取ってもらおうと思っても、なかなか受け取ってもらえないことが多いが、弁護士同伴で告訴状を持っていくと受けとって貰える確率は高くなる。この様な事件の場合は、だいたい違法性に置いてグレーゾーンであるので、弁護士も告訴状を書くのが大変であるにもかかわらず、報酬も一回限りである。


告訴状を無理に受け取ってもらい、起訴に漕ぎ着け裁判となり有罪を勝ち取るというのは奇跡に等しいぐらい稀なことである。


普通は、警察が告訴状を書くのを拒んだ場合は殆ど不起訴となる。警察が事件性はない民事でやれと言い出す時も、100%に近く不起訴処分となる。

始めから結果がわかっている告訴状を書くのは、弁護士として時間の浪費とみなすのは致し方ないのかもしれない。今回の場合も告訴状を書く段になって、勝ち目のない告訴状を書く事を弁護士は止めようとしたのである。

たとえ、告訴状を受け取ってもらって起訴まで行って裁判となったが無罪の判決が出た場合がたいへんである。何故かと言うと、反対に被告人側に損害賠償で訴えられることもあるし、捜査をした警察官、取調べをした検察官、身体拘束の判断をした裁判官などは大きな黒星となる。更には、身柄拘束の間の国家保障も必要となる。


告訴する側は、最終無罪となれば立場が反転するような状況になることもある。勿論告訴状を書いた弁護士に対しても風当たりは強くなる。こんな仕事はどんな弁護士でもしたがらないのである。


弁護士としては「不起訴覚悟でなら書きましょう。」と言わざるを得ない。要するに無駄にお金を使いましょうと言っているのと同じである。弁護士側としても労多くして利は薄いのである。

今回の場合、放置すればこの社会悪は日本国中に広がっていく可能性は大である。弁護士団を作ってという話もあったが、普通の市民ができる範囲でやってみようということになった。前途多難ではあるがGIGAZINEの編集長は諦めることなくこの社会悪と戦う覚悟である。