TVで各国のコロナワクチン風景が移されるが、どこも効率よく次々色んな方式を採用してワクチン接種の速度を上げている。然るに日本はというと、予行演習とかもやって考えられない遅い速度である。PCR検査の場合も同じで、海外ではドライブスルーでPCR検査をしていたのに、いまだ日本ではそんな光景にはお目にかからない。


菅首相は当初はワシントンでファイザーCEOとの対面での会談を希望したが、望みかなわず電話形式に切り替えた。

外務省のHPには、次のように書かれている。

現地時間4月17日午前8時30分(日本時間午後9時30分)から約10分間、ワシントンDC訪問中の菅義偉内閣総理大臣は、アルバート・ブーラ・ファイザー社CEO(Dr. Albert Bourla, Chairman and Chief Executive Officer of Pfizer)と電話会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  •  冒頭、菅総理大臣からは、日本に対するワクチンの供給を含めた新型コロナ感染症対策におけるファイザー社の貢献に謝意を表明し、日本に対するワクチンの引き続きの安定的な供給とともに、我が国の全ての対象者に対するワクチンの今年9月までの確実な供給に向け、更なる追加供給を要請しました。
  •  これに対し、アルバート・ブーラ・ファイザー社CEOからは、新型コロナ感染症における日本政府のリーダーシップ、国際保健分野での日本の貢献に対する謝意が述べられ、日本へのワクチンの確実かつ迅速な供給及び追加供給に向けた協議を迅速に進めることを含め、新型コロナ感染症の克服に向けて、日本政府と緊密に連携していきたいとの発言がありました。」

これがたった10分の電話内容。菅首相が要求を述べ、それに対してアルバート・ブーラ・ファイザー社CEOは、「まあいいかな」といった漠然とした感じで、この時点では何の約束もないように思えるけれど、菅首相は記者会見でブーラ・ファイザー社CEOとの電話会談について、次のように述べている。

「米国にて、ファイザーのCEOと電話会談を行いました。そして、9月までに我が国の対象者に対して確実にワクチンを供給できるよう、追加供給を要請しました。CEOからは、協議を迅速に進めたい、そういう話がありました。9月までに供給される、そうしたことにめどが立ったと、このように考えています。」

なんだかニュアンスが違うような気もする。ただ具体的な内容は一つも公式発表していないのだけは確か。口約束に終わらないことを切に願う。


4月16日、河野大臣は1瓶から6回分接種することができる針と注射器の確保が出来たことを明らかにした。


注射器の確保はできたとして、注射をする側は、医者と看護師しかいないのが現状である。その医者でさえ1割しかワクチン接種ができていない
。感染力が強く重症化しやすい変異ウイルスが急激に拡大し医療従事者にも更なる危険が増えた今となって、ワクチンの接種速度は大きな問題である。

海外では、ワクチン接種は、医者と看護師以外に薬剤師、研修医、医学生にまで広げて接種速度を上げていた。特にファイザーのワクチンは超低温保存で、一般の冷蔵庫に移せば5日間しかもたないのである。

現在政府は歯科医にもワクチン接種を認可する方向で進めているといっているが、又何日もかかるのだろう。


ワクチン1箱は195バイアル(1バイアル5回接種の場合975回接種分、6回接種の場合1,170回接種分)である。この計算通りにいけばよいが、実際は予定は未定の現状である。このままの状態が続けば、高齢者が終わるのに3年かかると計算した人がいる。要するにワクチンの供給量もさることながら接種速度の問題である。

コロナ感染の現状は感染力の強い変異ウイルスの出現で、緊急事態宣言の時より厳しいものになっている。分科会の尾身会長が「マンボウなんて言うのは緊張感の欠如だ。」と言った後から、「重点措置」と言う様になったが、言葉が変わっただけで、そのほかは何も変わっていない。

気持ちの問題ならば、「緊急事態宣言」を「非常事態宣言」の変えた方がいいのかも。口先だけの後は言い訳の嵐。