本場パキスタンのカレー粉は辛いというより恐ろしく痛かった。
いつも使っていた日本製のカレー粉がなくなったので、ハラールマーケットで買っておいたカレー粉を使うことにした。
日本語で「カレー粉」と書いてあったので少しは日本人好みにアレンジされているだろうと勝手に思い込んで買っておいたものである。
箱の裏側には日本語の説明はない。
原産国はパキスタン。箱に書かれているAAGというのは日本の輸入業者の名前である。
箱から取り出して、瓶に詰め変えた。よく見ると日本製のカレー粉とは違って何やら不ぞろいのつぶつぶがある。どれが何かわからないけれど何となく本格的な雰囲気。
これを小さじ半分ほど野菜炒めに振りかけてカレー味の野菜炒めを作った。少し味見をしてみた。何ということはない・・・と思う間もなく次に強烈な痛みに襲われて、口の中を水でゆすいだか焼け石に水。そのあと牛乳やらヨーグルト、ハチミツ、ジュース、ココナツミルクなど、思いつく限りのものを食べてみたがしばらくの間痛みは消えなかった。ハウスバーモントカレー好みの私が、誠に迂闊であった。死ぬかと思った。
野菜炒めはすべて廃棄処分、瓶に詰めたカレー粉は大辛のカレーが大好きという人に差し上げた。人の味覚は千差万別だとしみじみ思った。ハラールレストランの御主人が日本のカレーはカレーじゃないと言っていたのが思い出される。彼は日本のカレーをどのように感じているのだろうか。
箱の側面に、日本語で材料名が書かれてある。一番に赤トウガラシと書かれている。この赤唐辛子が私のイメージするものからほど遠い代物だったのだろう。
「旬の食材百科」というサイトを見ると辛いトウガラシのことが書かれてあった。
◆辛さの単位 スコビル値(Scoville scale)
「トウガラシの辛さを表す単位としてスコビル値というものが使われます。これはトウガラシをエキスにし、その辛さを感じなくなるためには何倍の砂糖水に溶かさないといけないかを表す単位で、当初は人が実際に試して行われていたそうです。現在はより性格にカプサイシンの量を測定器にかけ直接量るジレット法などが用いられるようになっています。
昨年、世界でもっとも辛いとギネス記録を更新したトウガラシはオーストラリアで作られている「トリニダード・スコーピオン・ブッチ・T」となっていて、その辛さはハバネロが10万から30万スコヴィルなのに対し、146万スコヴィルもあるそうです。もう食べ物と言えるのか疑問ですね・・・・。」
私が食べたカレー粉のスコビル値は一体どれぐらいだったのだろう。あのカレー粉を平気で食べている人たちは一体どんな味覚をしているのか。同じ人類なのか。それとも私が変異種なのか。
今までブログに試食記事に、あれが美味しいこれがいまいちなどと書いていたのが白々しい。とにかくショックな辛さであった。筆舌に尽くし難い辛さであった。