万能新型コロナワクチン「スーパーワクチン」が早くできるといいのになあ。
世界の科学者たちは様々な種類の新型コロナウイルスを1回の接種で予防できる「スーパーワクチン」の開発をめざしている。
現在使用されているワクチンの中には、変異株に対する免疫反応が弱まるという結果も出ている。
世界で流行しているウイルス株だけではなく、新たに出現したり、将来的に出現する可能性のある変異ウイルス株から体を守ることを目的にした複数のウイルス株に対応する「万能ワクチン」の開発が本格化してきた。この万能ワクチンを「多価ワクチン」という。
過去20年間3回のパンデミックを起こした。2003年香港で発生したSARSコロナウイルス(SARS-CoV-1)、2012年中東で発生した中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、そして今回の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)はベータ新型コロナウイルス系列とよばれている。このウイルスは、人に呼吸器疾患を感染させ、重症化すれば死に至らしめることもある。
現在開発された新型コロナワクチンはウイルスが人の細胞に浸透する時に使うスパイク蛋白質を中和させる抗体を生成する方式で開発された。しかし、このワクチン接種に伴い、新型コロナウイルスも免疫反応を回避する方向に進化し、ワクチン開発と変異ウイルスはいたちごっこを繰り広げているのが現状である。
このワクチン開発とウイルスの変異の戦いに、ピリオドを打つためにも、世界の科学者たちは広範囲に使用できる多価ワクチンの開発を始めたのである。1つのワクチンで複数の新たな変異株に対処する多価ワクチンというアプローチを目指しているのである。
理想のワクチンとは、一回の接種で得る強力な免疫反応と製造のしやすさ、そして、標準的な低温物流下での安定性を確保することである。更には免疫効力が半永久的に保たれることであり、できれば飲み薬であればいうことはない。こんなスーパーワクチンは本当にできる日が来るのだろうか。