散歩の途中で見た大きなベティーブープのフィギュアを見て以来、懐かしいベティーさんのイメージがよみがえって、NETであちこち見て回った挙句、ベティーブープの図鑑を買ってしまった 。


この本の著者・安野氏もまた、ベティーブープに取りつかれて以来、29年間わき目もふらず一筋に蒐集し続けたたツワモノ。この図巻は、そんな安野氏の記録ともいえる。


ベティーブープはアメリカのセクシュアル女優の象徴であり、ハリウッド映画が生み出した萌えキャラの第一号である。そしてそのベティーさんのファッションスタイルは、くるくるパーマと赤いミニドレスである。


ところが1930年代の日本でもベティーさんブームにのって、次から次へと色んなベティーさん人形が作られた。しかし、だれが作ったのか、似て非なるものが商品化されて世に出回った。


右側はびっくり箱であるがこれがベティーさんだというのにもびっくり。左のベティーさん人形はかろうじてわかる程度であるが一応セーフでもある。


ところがこうなると、元のキャラクターが不明になる。歩行人形だということであるが、ベティーさんらしからぬファッションと木靴のでかい足でどしどし歩くさまはハリウッド女優ベティーさんの面影はみじんもない。


一刀彫と言えば、円空の仏像を思い浮かべるが、何故一刀彫でベティーさんを作って着色してまで作る必要があったのか謎。四角く角張った顔はまるでロボットの様である。戦前の商品であるが、誰が買ったのだろう。隠れベティーさんファンか。


左のぬいぐるみは、ハロウィン人形ではないし、右下の冬服の人形はフランス人形だそうである。勿論、元のキャラクターはベティーさんである。


ベティーさんのフランス人形は気に入られたと見えて、色んな種類が商品化されている。右側のベティーさんの顔は、へのへのもへじっぽい。


モール人形も登場。その上こけしにまでなっている。こけしにされたベティーさんは手も足も出ない。


アクロバット人形はまだましであるが、右側のガラガラ人形では、泣いている赤子がひきつけを起こす。私は笑い転げて涙が出た。


ベティーさん人形は射的の的にもなった。着物姿というのもあまり似合わない。右端の襦袢姿のベティさんは薄気味悪い。


台座が丸いものはほとんどが射的の的である。


陶器や磁器で作られたものまである。

第2次大戦が近づくとともに、ミニスカート姿のベティーさんは、肌の露出面積が少なくなっていった。
ベティーブープは、第2次世界大戦前後を駆け抜けていった世界初の萌えキャラフィギュアであった。