南方の海の魚は、カラフルな魚が多く北の海の魚は地味な魚が多いのはなぜか。調べてみると、これは単なる思い込みだと分かった。北の湖の海底近くには鮮やかな魚介類もいっぱいいるということである。周りがカラフルだと保護色効果のために魚もカラフルになるという。人間の服装も南の方の人はカラフルであるが、これも保護色で目立たないためなのか。少し違うような気がする。人間は目立つためにカラフルな装いをするような気がする。人間の服装は、着替えることができるので1種の自己表現なのだ。


水中を泳ぐ夢をよく見る。水はいつも透き通っていてエメラルドグリーンかブルーである。呼吸の問題は不思議に問題になったことはない。私は人魚なのか。魚たちはみなカラフルで信じられないほどデコラティブである。竜宮城の感じかな。子供の頃に読んだ浦島太郎の童話が余程インパクトが強かったのかも。それとも水族館によく行ったからなのか。
作品を制作するのに、ホログラムの箔を使っているので、夢の中の魚も七色に光っているのだろうか。


余りにカラフルなので食べたいとは思わないが、面白くて追いかけるが、捕まえることができない。泳いでいると何処かの水場に出てくる。記憶に残るのはギリシャの大浴場に出てきた時である。まだ、漫画の『テルマエ・ロマエ』は出版されていない時のことで、作者の名前がヤマザキなのは私と同じで偶然が重なると何か因縁を感じてしまう。古代ローマの大浴場は兎に角広かったのと、湯気で遠くがかすんでいたのが印象的である。それと女性は一人もいないのも不思議だった。みんな白い布のようなものを着ていた。見学が済んだ私は、また元来た水中を潜って日本の自宅の水洗トイレに出てくる。あんな細いところから太い私がするッと出てこられるのに疑問を感じたことはない。同じような夢を何回か見たが、最近はあまり見ない。それとも、ただ覚えていないだけなのかもしれない。


目の前を通り過ぎる魚が余りにカラフルなので、忘れないうちに描いておくことにした。特にカワハギがよく出てくる。カワハギ自体は地味な魚なのに、夢の中のカワハギはびっくりするほど装飾的で見とれてしまうほどであるが、模様などの細かい点は思い出せないので、同じような印象で描いてみたら、やはり夢のカワハギの光輝くカラフルさには及ばない。カワハギというくらいだから皮がきれいに剥がすことができるのだろう。夢の中のカワハギの皮だけを持って帰りたかった。

魚屋さんの店頭でカワハギを見るたび、あれっと思ってしまうが、夢の中に出てきたカワハギが魚屋さんに売っていたら大騒ぎになるだろうなと思いつつ大きめのカワハギを1匹買って帰る。生姜醤油味で甘辛く煮つけるとおいしい。夢から覚めた私であった。