新型コロナ感染症に於いて注意しなければならないのは、「ロングコビッド(long covid)」と呼ばれる後遺症である。症状が終わった後にも一部の症状が長期間続くことを言う。一般的に後遺症が2カ月以上続くケースを「ロングコビッド」とみなす。

世界保健機関(WHO)によると、報告された諸症状の200のうち、最もよくある後遺症は呼吸困難、認知機能障害、倦怠感の3つである。

米ワシントン大学の臨床疫学者でもあるジヤド・アルアリー氏が、560万人以上の退役軍人の医療記録を分析した結果、「感染回数が増えるごとに単純に死亡率が高まっていた。また、再感染によって、糖尿病、慢性疲労、新型コロナ後遺症などの病気や、心臓疾患、血液疾患、脳疾患による健康リスクが発生する割合も増えていた。」ということである。
デンマークからは、BA.5の入院リスクはBA.2よりも65%高いというデータがプレプリントで公表されている(https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4165630)。ポルトガルからも、BA.5による入院リスク、死亡率はBA.2よりも高いとする報告が上がっている。

現在までに重症となる患者は皆、ワクチン未接種あるいはワクチンを2回までしか接種していないということである。

0~50 歳代は無症状者や軽症状者が多いが、変異株により重症例も増えてきている。
入院治療が必要な人のうち、約 80%で深部静脈血栓症が起こる。
また、感染した時は無症状であっても、体の中では微小血栓(小さい血のかたまり)や約 60%
に肺の間質性陰影(肺の傷)が起こり、後遺症が出てくることがある。
(●深部静脈血栓症・・・血のかたまりができ、心臓に血液を戻す血管内がつまる病気。
血管がつまると血液が届かず、例のような病気になり突然死の原因となること
がある。)


接種していない人に後遺症とみられる症状が出現する傾向がみらる。また、後遺症は感染無症状の人にも起こることが分かっている。

米国の研究陣は、コロナ感染者を2~3カ月にわたって追跡し、症状の長期化を招く4つの要因を確認した。

1・感染初期の血液内のウイルスの数値が高い人ほど後遺症に長く悩まされる傾向にある。

2・長く休眠状態にあったエプスタイン・バー(EB)ウイルスが再活性化した場合。
EBウイルスはヘルペスウイルスの一種で、子ども時代に自分でも気づかぬうちに感染しているケースが多い。
大部分の日本人は、乳幼児期に感染し、多くは症状が出ないため感染に気付かないが、。思春期以降に初めて感染すると、伝染性単核球症と呼れ    る発熱やのどの痛み、リンパ節の腫れなどの症状が一時的にみられることがある。また、EBウイルスは、バーキットリンパ腫など一部の
悪性リンパ腫や、上咽頭がんの発生と関連があるといわれている。

3・2型糖尿病を患っている場合。
2型糖尿病は体質(遺伝)や高カロリー食、高脂肪食、運動不足などが原因と考えられ、その結果、インスリン分泌の量やインスリンの効き具合
が低下し、インスリンの作用不足が起こる。インスリンは、すい臓のβ(ベータ)細胞で作られるホルモンで、血糖値を下げる働きがある。

4・特定の自己抗体を持つ場合。
我々の体の免疫システムは、普通は体内物質に対する抗体は作らないが、特殊なケースにおいては、自分の体を攻撃する抗体を作って疾患を引き起こす。4つの後遺症の要因の中で最も影響力の大きな要因は自己抗体で、長期にわたりコロナ後遺症に苦しむ人の3分の2で発見されたと発表している。自己免疫疾患には様々なものがあるが、特に多くみられる自己免疫疾患には、 バセドウ病、 関節リウマチ、 橋本甲状腺炎、 1型糖尿病、 全身性エリテマトーデス、 血管炎などが知られている。自己免疫性と考えられているその他の疾患には、 アジソン病、 多発性筋炎、 シェーグレン症候群、進行性の 全身性強皮症、多くの 糸球体腎炎(腎臓の炎症)、一部の不妊症などもある。


特に男性の倦怠感が強い人は、ウイルスやウイルスのかけらを排除するT細胞が非常に少ないことが分かってきた。ウイルスのかけらが残っていることで起こる炎症が問題で、それを取り除けていないという状態。最新の分析では、オミクロン株の後遺症患者はT細胞が少ないことが分かってきた。

コロナ感染の後遺症を軽減する方法は、上咽頭擦過療法、通称「EAT(イート)」という治療法である。
EATは、液体の薬をつけた綿棒で鼻の奥の上咽頭を直接こすり、炎症を抑える治療法。
上咽頭は脳や全身の神経機能の“要所”。新型コロナは、その“要所”で増殖・炎症を引き起こす。
その後、上咽頭に炎症が残り続けてしまうことで、体全体の神経の機能に障害が起きているというのだ。
EATは保険適用があり、通常1000円以内の負担額ですむ。
耳鼻咽喉科に行くと治療してくれるということである。

自宅療養で市販の薬を利用する場合は、オミクロンのウイルスは上咽頭部で増殖するので、上咽頭部の炎症を抑える薬をコロナに感染したと分かった時点で飲むと良いようである。単なる解熱鎮痛剤より、上咽頭部炎症に効く薬を服用した方が良いのは素人にも理解できる。

症状が出てから薬を買いに行くのはよくないので、元気なうちにNETで検索して買っておくべきである。

デルタ株まではコロナ感染の予防にうがいはあまり重要視されていなかったが、オミクロン以降は、上咽頭部にウイルスが増殖することが分かっているので、うがいの効果は期待できる。この場合のうがいは単なる「喉うがい」ではなく「鼻うがい」である。しかし、鼻うがいはちょっとしにくい。そこでいろいろ検索していて見つけたのが、堀田先生の「上咽頭洗浄」である。

以下は、『自律神経を整えたいなら上咽頭を鍛えなさい』の著者でクリニック院長、医学博士の堀田 修先生の発案である。

鼻の奥の“上咽頭”の炎症である「慢性上咽頭炎」は、現在の医学書に「慢性上咽頭炎」の記載はなく、医師の間でもまだあまり知られていない概念のため、「原因不明」とされてしまっている場合が多い。上咽頭は、自律神経のコントロールに密接に関わっているため、この炎症を治すことで、自律神経の調節異常が劇的に改善するということである。
【ピンポイントで上咽頭を洗浄する方法】
「“上咽頭洗浄”は、、鼻うがいより手軽にできる方法で、頭を斜め上に向けて行う。
少量(1回あたり両鼻で4ml)の生理食塩水を用いて、ピンポイントで上咽頭を洗浄できるので、簡単で違和感もない。
起床時と帰宅時か就寝前の朝晩2回行うとよい。鼻から入れた液体は口から吐き出してもそのまま飲み込んでもよい。
生理食塩水での上咽頭洗浄で効果が不十分の場合は、抗菌性の高い洗浄液を活用する方法もある。梅エキス由来の「ミサトールリノローション」や食品成分由来の「MSMプレフィア」という商品を利用してもよい。(堀田先生)」

プールで鼻から水を飲むと鼻の奥が痛いが生理食塩水なら痛くないので安心して鼻うがいをすることができる。

【生理食塩水の作り方】
・沸騰させたお湯を用意する。
・お湯を1リットルのペットボトルに入れる。
・そこに食塩9グラムを入れる。
・人肌ぐらいになったら、点鼻用の小さいボトルに入れる。完成。

NETで検索して注意点をよく読んでからゆっくり行うこと。