スーパーへ行って目についた鮮やかな黄色の果物。近くへ寄って読んでみたら「にいがたの洋なし」と書かれている。洋ナシと言えば色が茶色がかったモスグリーンで贔屓目にも食欲の湧く色合いではない。しかし、何度も食べているうちに土留め色の洋ナシを見ると反射的に甘くて柔らかい洋ナシを想像するようになった。なのに、きれいな色の洋ナシを見ると、一瞬不味いのではと思ってしまった。

それでも、食わず嫌いは偏食の元という信念から買って帰る。その上、1個100円と安かったこともある。

早速、夕食後のデザートに食べようと思ってNET検索して驚く。

新潟の土田農園の記事に詳しく書かれていた。
【新潟直送計画】ル・レクチェ(贈答用・家庭用) – 土田農園
【土田広樹 – 土田農園 新潟県三条市】
「野菜ソムリエの資格を持っている三代目代表『土田広樹』。生まれも育ちも新潟県三条市。2代目である父と共に農園を支えており、エコファーマーとして環境や人にも優しい農園作りを行なっている。
梨なしでは生きていけないと語るほど、梨を誰よりも愛しており、梨を食べない日は無いのだそう。毎日食べることで、梨の状態を日々確認し、一番美味しいベストな状態でお客様にお届けしている。」


この『ル・レクチェ』と呼ばれる梨は、「幻の洋梨」と言われフランスで作られ始めた洋ナシで、100年の歴史がある。しかし、栽培が難しく、その生産量は少ないためにフランスでさえ今ではほとんど生産されておらず、”幻の洋梨”と呼ばれているほどだということである。

ル・レクチェは、収穫後に『40日~60日』ほど追熟させなければ食べられないことや、追熟の為に広い保管場所が必要となること、病気にあまり強くないことから、実は育て上げるのが大変繊細な果物なのである。

新潟の気候がフランスの気候と似ていることもあって初めて作ることが出来たという。、新潟の人には昔から愛されている逸品フルーツだということである。


鮮やかなブライトイエローの皮を剥いていると、いい香りがする。


きめが細かく柔らかいので気を付けて扱わなければならない。


食べてみると、ラ・フランスの洋ナシよりも1ランク上のきめの細かさと甘さと香りである。梨というより桃に近い美味しさだった。ただ食べた後にほんの僅か渋みを感じた。この渋みをなくすには難しい追熟の技術がいるのかもしれない。1個100円という破格の値段の安さは、NETで検索した限りでは見つからないことを考えると、このル・レクチェは、ひょっとしたら訳ありだったかもしれない。しかし、それでも美味しかった。